キリンホールディングスが受賞した「日経SDGs経営大賞」の意義
キリンホールディングス株式会社が、「第7回日経SDGs経営大賞」にて名誉ある「大賞」を受賞しました。この受賞は、同社が企業の持続可能な発展に向けて果たしている重要な役割を評価された結果であり、今後の社会的責任においても注目が集まることとなります。
受賞の背景と評価ポイント
今回の「日経SDGs経営調査」は、1999年から進められている国連の持続可能な開発目標(SDGs)に基づく企業の取り組み状況を評価するための調査です。キリンホールディングスは、2019年の第1回以降、SDGs経営の総合ランキングで7年以上連続して最高位である★★★★★(偏差値70以上)にランクインしています。
特に、評価は「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」という4つの分野において行われ、キリンホールディングスはこれまでにおいて環境価値賞やSDGs戦略・経済価値賞をも受賞しており、実績を積み重ねてきました。
発酵・バイオテクノロジーを核にした成長
1907年に創業したキリンホールディングスは、発酵・バイオテクノロジーを中核技術として、ビールや飲料から医薬品へと事業領域を拡大してきました。そして現在は、ヘルスサイエンス事業の拡充に注力しています。このように企業の成長を社会貢献と結びつける姿勢が、同社のSDGsへの取り組みの基盤となっています。
また、2011年の東日本大震災の復興支援を契機に、社会が抱える課題を自社の強みを活かして解決し、持続可能な社会の実現に寄与する「CSV(Creating Shared Value)」を経営の軸に据えています。この価値観をもとに、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を設定し、食から医療にかけての幅広い領域での価値創造を目指しています。
環境への配慮と社会課題解決の取り組み
キリンホールディングスが特に力を入れているのは、「コミュニティ」への貢献や「環境」への取り組みです。たとえば、「午後の紅茶」の原料生産地であるスリランカの農園では、環境保護とそこで働く人々の労働環境向上を目指した「レインフォレスト・アライアンス認証」の取得支援を行っています。これは、日本が輸入するスリランカ産茶葉の約25%を占める「午後の紅茶」において、農作物の持続可能性がビジネスの根幹であることを示しています。
環境問題への取り組みとしては、特に気候変動への対策が重要です。同社はSBTネットゼロ認定を世界の食品企業として初めて取得し、さらにはTNFDを活用した自然資本の情報開示にも取り組んでいます。これは、企業が持続可能な成長を遂げるための重要なステップであり、世界中からも注目されています。
ヘルスサイエンス事業と社会的責任
キリンホールディングスは、特に「健康」課題の解決にも取り組んでいます。2019年に立ち上げたヘルスサイエンス事業では、特許技術による「プラズマ乳酸菌」を用いた製品を通じて、免疫維持を支援しています。この取り組みは国内だけでなく、東南アジアにまで展開し、多くの利用者に支持されています。
加えて、減塩食を支援するために開発した「エレキソルト」という食器も話題を呼んでいます。こうした食生活の改善に関する取り組みも、キリンの経営理念に基づくものです。
今後の展望と意義
今回受賞したことで、キリンホールディングスの取り組みが評価されたことは大きな意義を持ちます。今後も企業は持続可能であるために、社会的責任を果たし続けることが求められます。キリンホールディングスは、酒類事業を推進しながら、健康、コミュニティ、環境というテーマに真摯に取り組むことで、心豊かな社会を実現し、お客様の未来に貢献することを目指しています。
これらの取り組みを持続的に深化させ、社会とともに成長する企業としての姿勢が、企業の信頼性と評価の向上につながることでしょう。キリンホールディングスの未来に、今後も期待が寄せられます。