双日が豪州公共交通市場に進出
双日株式会社(以下「双日」)は、近年のインフラ整備を背景に、豪州の公共交通分野に本格的に参入することを発表しました。この戦略の一環として、同社はUGL(ユージーエル)Limitedの交通部門の50%を取得する契約を締結しました。UGLは195年以上の歴史を持つ企業で、オーストラリア国内において鉄道や公共交通システムの設計・建設から運行・保守までを行うリーディングカンパニーです。
豪州における市場のメリット
豪州は近年、人口増加や都市化が進み、公共インフラの必要性が高まっています。特に、豪州政府が進める「Infrastructure Australia」戦略に基づき、鉄道や公共交通システムの整備が急務とされています。鉄道市場の成長は顕著で、2025年から2030年にかけて年平均6.5%の成長が見込まれています。この市場において、双日は設計・調達・建設(EPC)に加え、運行・保守(O&M)サービスを提供する体制を構築する計画です。
UGLの実績と強み
UGLは、シドニーやメルボルン、キャンベラといった主要な都市で多くのプロジェクトを手掛けてきた実績があります。鉄道車両の製造や公共交通システム整備において、同社のサービスは高く評価されており、特に旅客車両の運行・保守や鉱物資源輸送に不可欠な機関車・貨車の製造・メンテナンスなども行っています。これにより、競争力のある包括的なサービスを提供できるのが大きな強みです。
双日の今後の展望
双日は、既に北米やインド、インドネシアでの鉄道関連への投資を通じて、鉄道分野の知見と実績を積んでおり、今回の豪州参入を通じてEPCからO&Mまでを一貫して手掛ける体制の構築を目指します。この新しい展開により、豪州市場のみならず、アジア市場への広がりも視野に入れています。大規模なインフラ開発が進行中の豪州での成長が期待される中、双日が提供するサービスは、今後ますます重要な役割を果たすでしょう。
まとめ
豪州における公共交通事業への参入は、双日にとって新たなビジネスチャンスを切り開く一歩であり、特に今後の都市インフラ整備が進む中、その存在感を強めていくと考えられます。今後の展開が注目される中、双日がどのように市場へアプローチしていくのか、その動向に期待が寄せられています。