食品表示の効率化を図る　データ連携の重要性と今後の展望

株式会社インフォマートと株式会社エフシージー総合研究所（FCG総研）は、食品業界のデジタル化を加速させるため、12月4日から商品規格書情報の相互データ連携を開始することを発表しました。この取り組みは、製品の品質を向上させるだけでなく、業界全体のデータ業務の効率化にも寄与するものです。

商品規格書とは

商品規格書は、食品の名称や原材料、栄養成分、賞味期限、製造方法、保存方法、アレルゲン等、様々な情報をまとめた重要な書類です。製造者はこの書類に基づいて製品を企画し、最終的に外食産業などが消費者に対して正確な情報を提供します。しかし、日本国内では商品規格書の書式が統一されておらず、企業は相手に合わせて様々な書式で作成する負担を抱えています。

データ連携の背景

FCG総研が提供する「食品大目付そうけんくん」は、原材料毎に作成された商品規格書をもとに、必要な食品表示ラベルを瞬時に生成することができるアプリケーションです。一方、インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム規格書」は、商品規格書情報をデジタル化し、様々な企業間での提出依頼から書式の統一を図るクラウドサービスです。このデータ連携により、商品規格書の作成工数が削減されるだけでなく、人為的なミスも減少します。

今後の展望

両社のデータ連携が実現することで、食品業界の製造者や小売業者は自社の書式を新たに作成することなく、迅速に取引先へ情報を提供できるようになります。このシステムは、特にフード業界では人手不足が課題となっている現在、従業員の職務満足度を向上させる一助となるでしょう。

また、業界全体の業務効率化を促進することで、食品の安全性や消費者への透明性も向上します。製品のアレルギー情報や原産国の情報を包括的に管理するためのツールが整い、消費者が安心して食品を選ぶことができる環境が整います。