展覧会「Which Mirror Do You Want to Lick?(どの鏡を舐めたい?)」
2021年秋、東京藝術大学で開催される展覧会「Which Mirror Do You Want to Lick?」は、現代のデザインにおける「虚構」と「真実」の関係性を掘り下げるユニークな取り組みです。この展覧会は、これまでに世界各国で行われてきたプロジェクトの日本版であり、「デザインされたイメージが生成するオルタナティブ・リアリティ」というテーマが中心となっています。
背景
昨今、情報の正確性が問われる中、フェイクニュースや画像編集が一般的になり、私たちが信じる「真実」は揺らいでいます。そんな時代において、デザインがもたらすメッセージや問いかけはますます重要になっています。この展覧会は、未実現のデザイン案や存在しないアーティストの作品に焦点を当てることで、デザインに対する新たな視点を提供しようとしています。
参加キュレーターたち
展覧会では、クリティカルなデザインを推進するプロのデザイナー集団アバケや、独自のタイプデザインで知られるラディム・ペスコ、グラフィックアートのキュレーターソフィ・デデレンがキュレーションを担当しています。また、東京藝術大学のデザイン科教授である松下計氏をはじめ、グラフィックデザイナーの鈴木哲生氏、編集者の室賀清徳氏がゲストキュレーターとして参加し、全42作品を対話とワークショップを通じて「翻訳」していくプロセスが楽しめます。このような試みを通して、参加者はデザインを巡る重要な議論を促発させることが期待されています。
展示詳細
展覧会情報
- - 開催期間:2021年10月18日〜11月7日
- - 開館時間:10:00〜17:00(入場無料、会期中無休)
- - 開催場所:東京藝術大学 陳列館
住所:東京都台東区上野公園12-8
この展覧会は、デザインに対する深い考察を提供する希望の場です。教育という文脈を交え、東京藝術大学の学生たちによる参加も期待されています。学生たちは過去の展示内容を「翻訳」し、新たな視点を加えることで、展示の内容をより豊かにしていく予定です。
また、特別参加としてテンプル大学ジャパンの日本グラフィックデザイン史クラスも含まれており、学びの場としても機能します。
コロナウイルス対策
新型コロナウイルス感染症の影響で、来場者への対策も施されています。入場時にはマスク着用が求められ、アルコール消毒や検温が行われます。入場者が集中した場合は、入場制限がかかることも予想されますが、安心して楽しむための配慮がなされています。
この展覧会は、デザインを通じて現代社会の問題を考えさせられる重要な機会です。新しい視点と対話を生み出す場に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。