芝浦工業大学とスズキが共同で進める次世代モビリティ研究
2025年7月1日、東京都江東区の芝浦工業大学と静岡県浜松市のスズキ株式会社が力を合わせ、「スズキモビリティ連携デジタルツイン共同研究講座」を設立することが決定しました。この新しい講座では、自動車やロボットの自動走行機能を支えるための次世代デジタルインフラの確立を目指します。
講座の運営には、芝浦工業大学工学部の新熊亮一教授が中心となり、スズキのモビリティサービス本部で担当している杉村嘉秋准教授が協力します。この共同研究は、少子高齢化や労働人口の減少といった現代の社会課題に対処し、技術者や研究者の育成にもつながる重要な取り組みです。
共同研究の目的
芝浦工業大学は「社会に学び、社会に貢献する技術者の育成」を理念に掲げ、研究や教育を通じて社会の発展に尽力しています。一方、スズキも「お客様の立場になって価値ある製品を作ろう」という信念のもと、モビリティ社会の進歩に貢献してきました。現在顕在化している社会課題を解決するためには、先進技術を支えるデジタルインフラの構築が不可欠です。
この講座では、芝浦工業大学が持つ先端技術とスズキのモビリティに関する専門知識を融合させ、高精度3次元空間デジタルツインを活用したデータ連携基盤の要素技術を開発します。この技術が実現することによって、安心・安全な社会の構築や新しいモビリティサービスの創出を目指します。
期待される成果
共同研究から得られる成果は幅広い分野での応用が見込まれています。例えば、スマートシティの構築、自動運転車両の普及、ロボットの自律移動、インフラのモニタリングなど、様々な領域での活用が期待されます。研究を通じて、社会課題の解決に寄与する革新技術の開発が推進され、将来の研究者や技術者の育成にも貢献していく考えです。
芝浦工業大学の特徴
芝浦工業大学は、東京都と埼玉県にキャンパスを持つ理工系大学として、グローバル教育に注力しており、多くの学生が海外派遣プログラムに参加しています。設立以来、約10,000人の学生と300人の教員が在籍しており、2024年からは学科制から課程制への移行を予定しており、革新的な教育体制の構築に取り組んでいます。また、創立100周年を迎える2027年にはアジアの工科系大学トップ10を目指しています。
スズキの魅力
スズキ株式会社は1920年に織機製造業として設立され、今日では世界中で事業を展開し、豊かな生活を提供することを目指しています。四輪や二輪、マリンエンジンなど多岐にわたるモビリティ商品を提供し、顧客のニーズに応える努力を続けています。
今後も両者の共同研究は、次世代モビリティの基盤構築や新たな技術開発において大きな役割を果たすことでしょう。この取り組みが、持続可能な社会の実現を促進する一助となることを期待します。