自然冷媒空調装置
2024-09-19 19:23:36

三菱電機、ドイツ向けに自然冷媒空調装置を初受注!

三菱電機、自然冷媒R290空調装置を受注



三菱電機株式会社は、イタリアの子会社であるMitsubishi Electric Klimat Tranportation Systems S.p.A(MEKT)が、ドイツのSiemens Mobility GmbHから新型S-Bahn車両向けに自然冷媒R290を用いた鉄道車両用空調装置1,350台を受注したことを発表しました。この受注は、日系企業としては初めての試みで、新たな一歩を踏み出しました。

受注の背景


この受注は、ミュンヘンの近郊での輸送力増強を目指す公共企業体Bayerische Eisenbahngesellschaft mbH(BEG)およびDB Regioの協力によるものです。彼らは今後の乗客数増加への対応策として、新型車両の導入を計画しています。

新型車両の設計にあたっては、輸送能力の向上だけでなく、デジタル技術(DX)を用いた電力消費や保守費用の削減、さらに室内無料Wi-Fiといったさまざまな施設の導入が検討されています。特に、鉄道車両用の空調設備はこの新型車両において重要な要素となっています。

以前まで、鉄道車両における空調装置はR407CやR134aといった冷媒が広く使用されていましたが、これらは高い地球温暖化係数(GWP)を持ち、環境への影響が懸念されていました。そこで新たに採用されるR290は、GWPが低く、より環境に優しい選択肢として注目されています。

R290の特長と安全性


R290を使用することで、電力消費の抑制と環境負荷の軽減が実現できます。この冷媒は、自然界にも存在する物質であり、二酸化炭素を冷媒とする研究も進んでいますが、R290の方が性能が良好です。特に、R290のGWPは0.02という極めて低い値であり、これはR407Cの約8万分の1に当たります。

ただし、R290には燃焼性があるため、安全対策が必要です。MEKTはこのリスクを考慮し、小型冷凍サイクルを複数搭載し、冷媒充填量を規制値以下に抑え、室内機の設計を見直しました。この設計により、万が一の冷媒漏洩の場合にも、客室への漏洩を最小限に抑えることが可能となります。

今後の展望


三菱電機グループは、「事業活動を通じた社会課題の解決」に従い、サステナビリティを経営の中心に位置づけています。今回の受注は、欧州および国内外への鉄道車両用R290空調装置の導入を加速させる契機となるでしょう。今後は、持続可能な社会の実現に向け、さらに努力を重ねていく所存です。

この新しい空調装置の導入は、鉄道事業における環境配慮の一環として、今後の移動手段の進化に寄与することが期待されています。かわいいS-Bahn車両が、環境に優しい冷媒で快適な旅を提供する時代がやってきます。


お問い合わせ先


三菱電機株式会社社会システム事業部モビリティインフラシステム事業部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
E-mail: [email protected]



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会社情報

会社名
三菱電機株式会社
住所
東京都千代田区丸の内2-7-3東京ビル
電話番号
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