金融庁が社債・株式振替に関する命令を改正、デジタル社会への対応強化

2023年3月7日、金融庁は「社債、株式等の振替に関する命令の一部を改正する命令」を公布しました。この命令は、情報通信技術を活用し、行政手続きを簡素化・効率化するために行われたものです。特に、2016年に制定された「デジタル社会形成基本法」の施行に伴い、社債や株式の振替手続きにおいて新たな規定が整備されました。

この改正により、社債や株式に関する振替手続きが非常にスムーズになります。従来の方法では、手続きが煩雑で時間がかかることが多くありましたが、デジタルツールを活用することで、迅速に処理できるようになります。特に金融機関や投資家にとって、利便性の向上が期待されています。

なお、この改正に関しては行政手続法第39条第4項第8号に基づき行われたもので、意見募集の手続きは行われていません。これは、法令の改正に伴う必要な手続きとみなされ、緊急を要するものと判断されたためです。この改正命令は、2024年4月1日から施行されます。

今回の改正は、社債や株式だけでなく、今後の金融行政全般にとっても重要な一歩となります。デジタル化が進展する中で、金融機関が求められるのは、顧客のニーズに即座に応えられるシステムの構築です。新たに施行される命令は、その方向に向けた一つの試みであり、今後もさらに進展していくことが期待されます。

このような取り組みは、国内の金融市場の競争力を高めるだけでなく、国際的にも評価されるポイントとなるでしょう。金融庁は今後も、さらなる効率化や透明性の向上を目指し、新しい政策や制度の策定を進めていくと発表しています。

また、金融機関におけるデジタル技術活用の促進は、顧客サービスの向上にも繋がります。特に、リテール部門においては、自宅で簡単に手続きができるようなシステムを導入することで、顧客満足度の向上が期待されます。

この改正によって、金融庁は新しい時代の金融行政を進めていく姿勢を示しています。今後の動きからも目が離せません。