第2回キャンピングカーシンポジウム
2025年7月26日に東京ビッグサイトで開催された第2回一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーシンポジウム with 東京キャンピングカーショー」では、キャンピングカーの新たな可能性について議論が行われました。本シンポジウムは、年に一度行われる東京キャンピングカーショーの一部として開催され、今回のテーマは『キャンピングカーと地方創生』でした。このイベントは、キャンピングカーの社会的な役割や地方創生への寄与について広く討論する機会を提供しました。
## オープニングスピーチ
シンポジウムは、総務大臣政務官の古川直季氏によるオープニングスピーチから始まりました。古川氏は、災害時におけるキャンピングカーの活用について、特に能登半島での地震発生時における例を挙げ、キャンピングカーが被災地においていかに重要な役割を果たすかを説明しました。彼は、被災者や地元の支援者の宿泊の困難さを踏まえ、令和6年11月に締結された『災害時等におけるキャンピングカーの提供に関する協定』の重要性を強調しました。この協定は、災害対応としてのキャンピングカーの活躍を促進するものであり、地域社会のインフラ支援にも寄与する未来の展望が示されました。
## パネルディスカッション
シンポジウムの後半では、キャンピングカーと地方創生のつながりを議論するパネルディスカッションが行われました。田村淳さんをモデレーターに、三豊市の山下昭史市長や岐阜県の豊田富士人副市長、日本RV協会の荒木賢治会長が登壇しました。
### 自治体とキャンピングカーの結びつき
山下市長は、ニーズに応える形でRVパークを整備し、それが観光客の流れを変えた事例を紹介しました。三豊市でのあるSNS投稿がウユニ塩湖を思わせる美しい景観として話題になり、観光客数が10倍以上に増加したことを報告しました。これにより、地域資源の活用が観光戦略に結びつくことが明示されたのです。
豊田副市長は、実際にキャンピングカーを保有し、地域の福祉活動への活用方法を探る立場から、これが新しい観光の形を生み出すことを期待していると述べました。彼は、地域社会においてキャンピングカーの多様な利用法を探求し、特に防災活動への貢献を訴えました。
### 災害時の実効性についての意見
田村さんは、災害時におけるキャンピングカーの役割について質問しました。それに対し荒木氏は、自治体への導入と実効性についての意見を交わし、災害時の迅速な対応が今後の公的支援やキャンピングカーの普及に繋がっていく期待を示しました。
### 今後の取り組みと支援制度
パネル討論では、キャンピングカー導入に関する支援策や地域未来についても話し合われました。荒木氏は自治体での経済的な障壁を乗り越えるための補助金制度やノウハウの提供について言及し、成功事例を増やしていくことの大切さを強調しました。また、山下市長はトイレカーの導入例を挙げ、平時と有事の両面でのキャンピングカー活用の可能性に触れました。
## シンポジウムの成功と未来に向けて
最後に田村さんが、今後もこのようなシンポジウムを通じて、キャンピングカーの価値を広め、地方創生の方向性を模索していく必要性を再確認しました。本シンポジウムは、地域とキャンピングカー業界との連携が新たな関係性を築くための一歩となったと言えるでしょう。
一般社団法人日本RV協会とは くるま旅と車中泊の文化を創出することを目指し、「日本にキャンピングカーというカルチャーを!」を掲げ、普及・市場育成の活動を行っています。
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