女性の力でクラシック界に変革！東京女子管弦楽団の挑戦

東京女子管弦楽団が切り開く新たな音楽の地平

2022年、東京に誕生した一般社団法人東京女子管弦楽団は、日本初の女性専門オーケストラとして、男女格差の改善を目指しています。運営は株式会社サウンド東京の代表取締役社長である福元麻理恵が手掛け、彼女自身も演奏家として音楽業界に貢献してきました。その背景には、クラシック音楽界における長年の男女不平等が横たわっています。

音楽業界の現状と課題

クラシック音楽の歴史は1000年以上に及びますが、依然として男性が大多数を占めるオーケストラが多く見られます。特にヨーロッパの大規模オーケストラの中でも、男性が多くの割合を占め、新しい世代の音楽家の大部分が女性であることを考えると、その現状は非常に対照的です。福元は、このような格差を直視し、音楽家としての立場から問題解決に取り組みたいと語ります。

「日本は、音楽家としての資格制度もなく、個々の演奏家は多くが個人事業主であるため、就業環境や産休、育休制度の整備が進んでいません。音楽業界における男女格差の是正は急務です。」と福元は力を込めます。

支援を受けての設立

東京女子管弦楽団は、スポンサーである株式会社モデュレックスからの経済的支援を受けて設立されました。この会社は照明デザインや制御システムに特化しており、日本国内外での実績を持っています。モデュレックスは音楽業界の現状にも理解を示しており、オーケストラ活動のための文化的空間を提供しています。

また、白鶴酒造やユーキャンなど、多くの企業がこのプロジェクトを支援し、教育プログラムやコンサート事業を通じて男女平等への取り組みを進めています。このような企業と楽団の協力により、持続可能な社会を築くことを目指しています。

オーディションと公演

2022年9月には、当団の第1回オーディションが行われました。選ばれた演奏家たちは国内外で活躍する著名な音楽家たちで、12月には紀尾井ホールにて初の定期公演も予定されています。全ての演奏者が女性で構成され、プロフェッショナルな音楽の提供が期待されています。

ジェンダー格差に挑む演奏家たち

東京女子管弦楽団は、女性音楽家たちにとっての安心した職場環境の確保を目指し、精神的にも経済的にも安定した支援を提供しています。音楽の力を駆使して、日本の女性たちに勇気を与え、さらにはクラシック音楽全般を新たに引き上げる役割を果たそうとしています。

音楽を通じて、自らの存在を示し、夢を描くことができる環境を整えた東京女子管弦楽団は、今後のさらなる成長と変革に向けて邁進していくことでしょう。彼女たちの挑戦は、音楽界だけでなく、社会における男女平等の推進に貢献することを目指しています。