エプソン、韓国のスタートアップGosan Techに出資
セイコーエプソン株式会社とエプソンクロスインベストメント株式会社は、韓国のスタートアップGosan Tech Co., Ltd.に出資することを発表しました。この出資により、持続可能なエネルギー源として注目されているペロブスカイト太陽電池の製造に新たな展開が期待されます。
Gosan Techは2015年に設立され、もともとはOLED(有機EL)ディスプレイ用のインクジェット製造装置の開発を手掛けてきました。彼らの持つ技術は、高い精度のインク液滴を制御する能力に優れています。さらに、インク供給システムや圧力制御技術、シミュレーション技術なども強みとなっており、OLEDディスプレイの製造だけでなく、バイオや環境領域でも事業を展開しています。
特に近年、大きな注目を集めているのがペロブスカイト太陽電池です。この新しいタイプの太陽電池は、軽量で薄型、さらに曲げることもできる特性から柔軟性のある製品が求められており、製造コストの削減が期待されています。Gosan Techはインクジェット技術を駆使し、ペロブスカイト太陽電池モジュールの開発を進めています。この技術を用いれば、発電効率やデザイン性を向上させ、資源の使用効率も高めることが可能です。
エプソン側は、Gosan Techに対しインクジェット技術の中でも特に信頼性と精度が高いプリントヘッドを供給します。また、エプソンの韓国拠点であるEpson Korea Co., Ltd.とも連携し、Gosan Techの事業成長を支援します。エプソンは「Epson 25 Renewed」という長期ビジョンのもと、インクジェット技術を用いた新たなソリューションを通じて、産業の革新を目指しています。そして、技術革新によって生まれる多様なニーズに応えることで、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。
今後での展望として、Gosan Techとのパートナーシップを通じてインクジェット技術の応用を広げ、さらに新たな市場を生み出すことに貢献する考えを示しています。このような協力は、ペロブスカイト太陽電池だけでなく、多様な産業分野においてもイノベーションを促進する可能性を秘めています。
エプソンクロスインベストメントは、セイコーエプソンの100%出資により設立されたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)であり、産業シナジーが期待できるスタートアップへの出資活動を続けています。エプソンは、持続可能な社会に向けた取り組みを継続すると共に、様々なパートナーと連携し、共創を通じて新たな可能性を追求していく意向を示しています。
Gosan Techの技術革新とエプソンのインクジェット性能が合わさることで、持続可能なエネルギー源の発展と新たなビジネスチャンスが生まれることに期待が寄せられます。これからの展開に目が離せません。