TÜV SÜDが創業150周年を迎える
TÜV SÜDは、ドイツの技術調査機関であり、今年2016年に創業150周年を迎えました。この歴史的な年は、1866年にバーデンで設立された最初のTÜV組織にまで遡ります。当初は、マンハイムの蒸気ボイラーの安全性を確保することを使命として誕生しました。これは、当時の技術に対する信頼を高めるべく、事故を未然に防ぐための重要な一歩でした。
今もなお、その設立当初の理念を重んじているTÜV SÜDは、現在22,600人もの従業員を擁しており、世界中で様々な事業を展開しています。このような成長の背景には、技術と安全性を両立させるための専門知識と、顧客からの信頼が存在します。
技術試験がもたらした変革
設立から間もなくして、技術試験のアイデアは広まり、多くの地域で新たな検査機関が設立されました。これにより、TÜV SÜDはドイツ国内だけでなく、国際的にも影響力を持つ組織へと成長しました。この過程で、2015年には前年比約6.5%増の22億ユーロの売上を達成し、過去10年間で売上が2倍に増加するなど、その成長は目覚ましいものがあります。
国際的な展開と専門知識
TÜV SÜDの特徴の一つは、海外の従業員がドイツ国内の従業員数を上回ったことです。今では、全従業員の過半数が海外に勤務しており、特にアジアやアメリカでのビジネス展開が進んでいます。技術の進化に合わせた国際的な人材の確保は、市場の多様化にも対応するための重要な要素です。
デジタル・トランスフォーメーションの加速
150周年を迎えたことを機に、TÜV SÜDは今後の成長に向けた戦略を策定しています。特に注目されるのがデジタル化に関する取り組みです。ミュンヘンとシンガポールに新たなデジタル専門センターを設立し、デジタル化に関する顧客のニーズに応えることで、技術の信頼性をさらに強化しようとしています。
このデジタル・トランスフォーメーションは、TÜV SÜDのビジネスモデルにおいても重要な役割を果たします。特に、IoT(モノのインターネット)やインダストリー4.0の進展は、今後のビジネスにおける新たな機会を提供します。しかし、デジタル化に伴うリスクも増加しており、特にサイバーセキュリティが今後の大きなテーマとなっていくことでしょう。
未来へのビジョン
TÜV SÜDの取締役会長であるアクセル・ステプケン教授は、エンジニアリングの専門知識を生かして未来の技術安全に貢献していくことを掲げています。「私たちの使命は、信頼できる持続可能な技術の提供にあり、それにより顧客と社会の信頼を育むことです」と語ります。技術の進化とともに、安心・安全な社会の実現に向けて、これからも積極的に取り組んでいく姿勢を崩しません。
今後もTÜV SÜDは、技術を通じて人々の生活をより安全で持続可能なものにしていくことに注力していくでしょう。これらの取り組みは、顧客の信頼を得るだけでなく、社会全体にとっても重要な使命となっていくことでしょう。
詳細については、
TÜV SÜD公式サイトをご覧ください。