驚きの自然界から学ぶ「成長」の新たな視点
株式会社大和書房は2024年8月8日に、稲垣栄洋氏の新著『泳げないカワウソの生きるヒント 「成長」をめぐる生物学』をお披露目します。この本は、豊かな自然環境に生きる生き物たちの多様な成長のメカニズムを探ることで、人間の成長に対する考え方を再評価することを目的としています。
自然界の魅力を受け止める
本書では、私たちが見過ごしがちな自然界の驚きの生態を深く掘り下げていきます。例えば、子どもが親よりも大きく育つカエルやペンギンの事例、さらには愛情から突然に距離を置くキツネの行動、遊びから狩りを覚えるライオンの様子など、生き物たちの成長には計り知れない知恵が宿っています。また、オナモミのように大小の種を持つ植物、踏まれたまま立ち上がらない雑草のレジリエンスなど、自然の仕組みがいかに多様であるかを教えてくれます。
人間の「成長」を問う
一方で、この本は人間の成長を取り巻く環境に対しても視点を向けます。私たちの成長はしばしば他者との比較や平均値に基づいて評価されがちですが、自然界の生き物たちはそれぞれのペースで成長していることが多いのです。このように、「成長」という概念を広い視野で捉え直すためのヒントが詰め込まれています。
著者の意図
著者の稲垣栄洋氏は、自然科学の分野で数多くのベストセラーを誇る著者であり、本書もまた彼の専門知識と洞察を基にした一冊です。中学・高校の入試問題にも取り上げられる著者によるこの作品では、知的好奇心を刺激しつつ「学ぶこと」や「大人になること」の大切さを再認識させてくれます。
充実した目次
本書の内容は多岐にわたり、特に「三億卵を産むマンボウ」や「泳げないカワウソ」、さらには「踏まれたままの雑草」といった具体的なテーマが取り上げられています。それぞれの章では、成長についてのさまざまな疑問や知恵が紹介されており、学習や自然への理解が深まります。たとえば、なぜマンボウがたくさんの卵を産むのか、カワウソの子どもが泳げない理由、雑草が強靭に生き抜く理由などが示されます。
著者略歴
著者の稲垣栄洋は1968年に静岡県で生まれ、岡山大学大学院を修了した農学博士です。専門は雑草生態学であり、農林水産省や農林技術研究所などで経験を積んでいます。現在は静岡大学農学部の教授を務め、多くの著書を刊行しています。
書籍の詳細
- - 書名: 泳げないカワウソの生きるヒント 「成長」をめぐる生物学
- - 著者: 稲垣栄洋
- - 発売日: 2024年8月8日
- - 判型: 文庫判
- - ページ数: 224ページ
- - 定価: 924円(税込)
- - 発行元: 株式会社大和書房
この本を手に取り、自然界の生き物たちから「成長」についての新しい考え方を学んでみませんか?