大和ハウスの新たな挑戦
大和ハウス工業株式会社が新しく発表した総合災害モニタリングシステム「DoKo-moni」は、自然災害のリスクが高まる現代において、特に注目される技術です。2024年12月2日からの提案開始を控え、開発の背景や機能について詳しく見ていきましょう。
自然災害への対応力
近年、気候変動に伴い自然災害が頻発し、その影響は企業の運営にも重大な影響を与えています。これに対抗する手段として必要とされるのが、効果的なBCP(事業継続計画)対策です。「DoKo-moni」は、従来の情報収集方法に変革をもたらし、複数の自然災害情報を一元管理します。従来、施設管理者はテレビやインターネット、現地からの報告など多様な手段で情報を収集していましたが、これによる初動遅れのリスクを軽減できるのです。
「DoKo-moni」の機能
この新システムは、株式会社ナレッジフォーサイトのリアルタイムモニタリング技術を基盤に構築されています。具体的には、加速度、風速、雨量などのセンサーやカメラデータを一元的に管理でき、情報をリアルタイムで収集します。例えば、地震発生時には約1分以内に被害状況を推定し、迅速な対応を可能にします。これは、構造物の点検業務や修復作業をスムーズに行うための大きな前進です。
気象情報と地震情報の統合管理
「DoKo-moni」では、最大で6種類のデータ(気温、湿度、風速、雨量、加速度、映像)をリアルタイムで獲得・チェックすることが可能です。これにより、熱中症対策や台風対策も事前に行えるようになりました。地震発生時には加速度センサーが働き、揺れの大きさを検知して迅速に被害を推定。施設管理者はシステム画面を通じて、建物の状態を即座に確認できます。
即時アラートの発信
「DoKo-moni」では、被害のリスクがある際にアラートメールを送信する機能も備えています。この機能は風速、雨量、震度といった特に影響が大きいデータに焦点を当てています。入力した数値を上回った場合、あらかじめ登録したメールアドレスにアラートが送信され、管理者は迅速に初動対応を行えます。
また、各建物の設置センサーやアラートの指定値は、施設の特性に応じて調整可能であり、柔軟性の高いシステムとなっています。
クラウド上での一括管理
本システムは、複数の建物のモニタリング情報をクラウドで一元管理できるため、管理業務の効率化にも寄与します。クラウドには、計測データが長期間保管され、異常時には直ちに優先順位を設定するための視覚的情報を提供します。独自のマップピンカラーによって、状態を瞬時に判別できるため、効果的な施設管理が実現します。
新しい時代の災害モニタリングへ
「DoKo-moni」は、現在運用が試験的に行われている物流施設に続き、2024年からは事務所や店舗向けにも展開予定です。今後、雷やひょうなど新たなモニタリング機能も追加されることが期待されており、災害時における安全性の向上に寄与するでしょう。自然災害が避けられない時代、企業にとってこのようなシステムの導入は、重要な選択肢となるのです。