日本のロックシーンが誕生してから半世紀。英国やアメリカのロックカルチャーの影響を受けながらも、日本の文化に根ざした独自のロック、ポップミュージックが花開きました。そして、その隆盛を支えた先駆者たちへの関心が再び高まっています。映画『トノバン音楽家加藤和彦とその時代』が大ヒットし、TM NETWORK、COMPLEX、ストリートスライダーズといった80年代を代表するバンドが再結成を果たし、大きな話題となりました。
今月12日には、80年代に活躍したプログレッシブポップバンド、千年COMETSが37年ぶりに再結成を果たし、熱い注目を集めました。初期衝動と自由な発想でロックの世界観を表現してきた天才たちは、いまなお精力的に活動を続け、新たなメッセージを発信し続けています。
原宿クロコダイルで隔月開催されているこのイベントは、日本のロック黎明期を築き上げた偉大なミュージシャンたちをフィーチャーし、トークセッションを通して当時の熱気を再現する、人気の企画です。これまで、今井裕(サディスティック・ミカ・バンド)、岡井大二(四人囃子)、佐々木忠平(めんたんぴん)など、そうそうたるメンバーがゲストとして登場し、貴重なセッションを披露してきました。
そして、今回、ついに二人のカリスマシンガー、カルメン・マキとあがた森魚が、このステージに降臨します。
カルメン・マキは、10代の頃に寺山修司に才能を見出され、天井桟敷で舞台デビューを果たしました。その後、ソロシンガーとして成功を収め、ブルース・クリエイション、そして日本のロックを世界に知らしめたカルメン・マキ&OZとして活躍。そのパワフルな歌声は、多くの女性ボーカリストに影響を与え、日本が生んだ最高のロックボーカリストとして、今もなお輝きを放っています。
あがた森魚は、函館の高校時代、ボブ・ディランに影響を受け、音楽の道へ。早川義夫との出会いを通して、70年にステージデビューを果たしました。フォークの先駆者としてシーンを牽引し、大ヒット曲「赤色エレジー」で国民的な人気を獲得しました。その後も、フォークにとらわれず、さまざまなバンド、ユニットで創作活動を続け、「乙女の儚夢」「日本少年」「バンドネオンの豹」など、数々の名盤を残しています。映画監督、俳優、文筆業など、表現の領域は多岐にわたります。
この二人のカリスマシンガーが、70年代のカルチャーがどのように生まれ、変化してきたのか、そんな貴重な話を語り、この日限りのスペシャルセッションで、当時の熱気を再び体感できる、夢のようなイベントです。もしかしたら、スペシャルセッションでは、久々にカルメン・マキ&OZの曲が聴けるかもしれません。
JAPANESE ROCKの夜明けから未来へつなぐ、伝説の夜にぜひご参加ください。