株式会社ispace、ミッション2でのマイルストーンを達成
2025年1月17日、株式会社ispaceは、ミッション2“SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”における初回の軌道制御マヌーバに成功しました。これは、地球から約250,000kmの距離で、約16秒間メインエンジンを噴射する操作が行われ、RESILIENCEランダーを予定の軌道へ正しく投入することを実現したものです。この成果により、同社はミッション2におけるマイルストーンSuccess 4を達成したことを公表しました。
打ち上げとランダーの状況
ミッション2では、RESILIENCEランダーが2025年1月15日にSpaceX社のFalcon9によって打ち上げられ、同日にはロケットから分離されました。現在、RESILIENCEランダーは地球周回軌道上を航行しており、次の段階として月フライバイを目指しています。このフライバイを終えれば、低エネルギー遷移軌道に入る予定です。
袴田武史CEOのコメント
ispaceの代表取締役CEOである袴田武史氏は、「RESILIENCEランダーは、主推進系システムからの推力により、期待通りの動作をしながら深宇宙への旅を続けている。特にミッション運用を担当する専門家たちの献身的な努力に満足している」と述べ、社員やステークホルダーに感謝の意を表しました。
ミッションの目標とペイロード
株式会社ispaceは、ミッション2の成功に向けて10段階のマイルストーンを設定し、今後の評価と開発にフィードバックしていく方針です。また、RESILIENCEランダーには高砂熱学工業の月面用水電解装置や、ユーグレナの食料生産実験モジュールなど、6つのペイロードが搭載されています。これにより、月面探査におけるさまざまな実験が予定されています。
今後の展望
ispaceは、2026年には米国法人が主導するミッション3の打ち上げを計画しており、2027年には新たに開発中のシリーズ3ランダーを活用したミッション6も予定しています。同社は、国際的な需要に応えるため、ペイロードサービス契約やデータサービスの提供に力を入れていく方針です。
企業情報
ispaceは「Expand our planet. Expand our future.」というビジョンのもと、月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップ企業です。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、約300名のスタッフを擁し、月面輸送サービスの提供を目指しています。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイを目指し、宇宙産業の発展に貢献しています。また、HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムで、月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的としています。これからの月探査ミッションにおけるispaceの活躍が期待されます。