AIを活用した要件定義プラットフォーム『Acsim』の登場
株式会社ROUTE06(本社東京都千代田区)が、要件定義のプロセスを誰でも簡単に進められるようにするAIプラットフォーム『Acsim(アクシム)』を正式にリリースしました。これは、要件定義における属人化や人材不足という日本の開発現場が抱える根本的な問題に立ち向かう革新的な試みです。
要件定義の効率化と再現性向上
『Acsim』は、構想整理から始まり、課題抽出、改善方針の提示、プロトタイプの生成、設計書の自動出力、さらには開発稟議の支援まで、一連の要件定義プロセスを整然とサポートする生成AIソリューションです。この仕組みにより、要件定義のプロセスは属人性から解放され、高速かつ高品質な設計が可能になります。
発展を遂げる国内IT市場
日本のITシステム開発市場は約17兆円の規模を誇り、今後も安定した成長が期待されています。要件定義や業務設計といった上流工程は、全体の2〜3割を占める重要な領域ですが、依然として多くの非効率や属人性が残る「ブラックボックス化」が課題です。特に、日本企業は業務の複雑化や技術革新により、要件定義の難易度が上がっています。適切なスキルを持つ人材は限られたため、設計業務がベテラン従業員に依存しがちな状況が続いています。これは、システム開発の内製化やDXの推進を妨げる大きな障壁となっています。
新しいアプローチの必要性
生成AIの進化は主にコード生成やテスト支援などの実装フェーズに集中していましたが、思考や構造化を必要とする要件定義のような上流工程においては、ほとんど支援が行われてきませんでした。そこでROUTE06は、大手企業のDX推進や基幹システムの刷新を手掛ける中で、AIが要件定義を支援できる新たな道を切り開くことを目指しました。これこそが『Acsim』の誕生の背景です。
特徴と機能
『Acsim』は、ROUTE06の豊富な設計ノウハウと業務構造の知識を基に、要件定義プロセスを支援します。このプラットフォームは、UIや機能のプロトタイプを自動生成し、業務課題に対する改善方針を示し、関係者間の共通理解をスムーズに形成します。また、AIが提供する洞察により、プロジェクトに関わる人々が本質的な議論と意思決定に集中できる環境を提供しています。
Acsimの主要機能には、次の5つがあります:
1.
業務フロー自動生成 - AIが会話をもとに業務の現状や課題を可視化し、課題整理と提案力を向上させます。
2.
改善方針の支援 - 業務課題を把握したAIが、設計観点や論点に基づいて改善方針を提示するため、未経験者でも漏れなく進められます。
3.
プロトタイプ生成 - ユーザービリティテストを通じて関係者の間での理解を容易にし、レビューを迅速化します。
4.
稟議資料の自動生成 - 改善提案に対するコスト削減効果や業務効率化指標をAIが算出し、迅速な投資判断を促します。
5.
設計書の自動出力 - 業務フローやユースケース、画面一覧などを共通フォーマットで出力し、工数削減を実現します。
期待される将来
『Acsim』は属人化しがちな要件定義を標準化し、誰もが設計を行える未来を見据えています。2025年4月の正式リリース以降、20社近くの企業がすでに導入を進めており、その広がりはSIerやIT部門、開発チームに留まらず、今後はSAPやSalesforceなどとの連携も計画されています。
ROUTE06は、要件定義の業界標準インフラとしての地位を確立し、全国の約10万人のPM・SEとともに日常的に利用されるプラットフォームを目指しています。これにより、日本のシステム開発の本質的な課題に挑むその姿勢を明らかにしています。
会社概要
株式会社ROUTE06(ルートシックス)
- - 所在地:東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング9F
- - 設立:2020年1月24日
- - 代表者:遠藤 崇史
- - 事業内容:AI駆動開発プラットフォーム、AI導入・活用支援、システム開発・コンサルティング
ROUTE06は、人とAIの協換によるプロダクト開発の新たなスタンダードを確立し、誰もが自由にアイデアを形にできる未来を目指しています。