河村電器産業が上場企業初のベトナム進出
河村電器産業株式会社は、2018年6月19日にベトナムのドンナイ省に新たにKawamura Electric Vietnam Co., Ltd.(以下、KEV)を設立しました。これは日系の配電盤メーカーである同社がベトナムに100%独資で進出する初の事例であり、今後のASEAN市場での競争力強化が期待されています。
進出の背景と目的
河村電器産業は、既に2016年9月にタイの配電盤メーカーであるThai Aichi Denkiを子会社化し、ASEAN地域での受配電設備の販売に注力していました。その中で、最近のベトナムの経済成長や日系企業の増加に目を向けるよう方針を転換しました。
KEVの設立は、ベトナム国内での住宅着工件数の増加や商業施設の建設活動、工場の増改築が進んでいることを受けての判断です。この地域では配電設備の需要が高まると予測されており、同社はこの機会を活かし、迅速に配電盤を供給できる体制を築くことを目的としています。
KEVの概要
新会社のKawamura Electric Vietnamは、ドンナイ省のロンドウック工業団地内に位置し、レンタル工場を事務所兼生産拠点として使用します。具体的には、母体であるThai Aichi Denkiから提供されるキャビネットなどの部品を使用し、ベトナム国内の日系企業を中心に配電盤を製造・販売していきます。
会社概要
- - 名称: Kawamura Electric Vietnam Co., Ltd.
- - 代表者: 河村 幸俊
- - 社長: 早川 智宏(同時にThai Aichi Denki社長も兼任)
- - 資本金: 400,000 USD
- - 本社所在地: ロンドウック工業団地内、ドンナイ省
- - 敷地面積: 1,226平方メートル
- - 事業内容: 配電盤の製造及び販売
ロンドウック工業団地の特徴
ロンドウック工業団地は、270ヘクタールの大規模開発であり、ホーチミン市の中心部から約50分、タンソンニャット国際空港からは約80分、2025年にはロンタン新国際空港が開港予定です。このように交通の便も良く、企業にとって理想的な立地です。
工業団地の情報
- - 総開発面積: 270 ha
- - 分譲面積: 199.4 ha
- - 事業主: LONG DUC INVESTMENT CO., LTD.
こうした背景を持ちながら、KEVの設立は河村電器産業にとって、その戦略的な決断であり、ASEAN地域における配電盤の販売拡大が見込まれます。特に、需要が高まるベトナム市場において、同社の優位性をさらに強化することで、競争力を高めることが期待されています。