神戸市で進化する地域防災DXの実証実験がスタート!
一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)が神戸市中央区と連携し、地域防災DXを推進するための実証実験を実施することが発表されました。この取り組みは、アニバーサリーコンシェル株式会社との協力のもと、災害時における住民の安否確認をLINEを通じて行うものです。
実証実験の背景と目的
大規模な災害発生時に、避難所以外の場所にいる住民の安否を迅速に把握することは大きな課題です。従来の方法では、個別に連絡したり目視確認する頼りない手段に依存していました。そのため、情報の集約に時間がかかり、早急な対応が難しい状況でした。
今回の実証試験では、住民が日常的に利用しているLINEを用いて、安否確認を行う仕組みを導入します。参加者はLINE経由で提供される安否確認メッセージに対して選択肢から回答し、その結果をリアルタイムで集計。さらに、集計された情報は地図上で視覚化されることで、地域全体の状況を直感的に把握できるようになります。
実証実験の概要
実証実験は、2026年1月17日(土)12:00頃に住民への安否確認メッセージを一斉に送信し、住民が選択式で回答することで成り立ちます。集計がリアルタイムで行われ、結果はGoogle マップ上に表示され、地域の状況把握や支援の優先順位を判断するために活用します。
さらに、最初のテスト通知が行われる2025年12月17日(水)には安否確認メッセージの送受信をテストし、システムの操作性やメッセージ到達の確認が行われます。気になるポイントは、実証実験の直後の2026年1月18日(日)には神戸市中央区総合防災訓練と連動させて、集められた安否情報をモニターに反映し、状況をリアルタイムで更新する活動も行うことです。これは災害対策本部と避難所との情報連携がどのように機能するかを検証します。
地域防災に向けた今後の展望
この実証実験から得られるデータや知見は、神戸市に限らず、国の防災政策や首都圏での取り組みへの応用も期待されています。MUIC及びアニバーサリーコンシェルが提供する「デジ町」プラットフォームは、平時のサービスと有事のサービスを融合させ、地域防災のための新しいモデルを構築する目標を持っています。これにより、地域社会におけるつながりを活かした災害に強いまちづくりを推進していく考えです。
実施企業について
一般社団法人関西イノベーションセンターは、大阪府に位置するオープンイノベーション創出の拠点であり、地域課題の解決に向けた多様なコラボレーションを展開しています。アニバーサリーコンシェル株式会社は、高知県に本社を置き、地域のニーズに応えるITソリューションを提供する企業です。この二者の協力は、地域防災力の向上に寄与することが期待されています。
災害に強い社会の実現に向けた取り組みが期待される中、私たちもこの活動に注目していきましょう。