皆川博子受賞
2024-10-11 02:58:21

皆川博子の新作『風配図WIND ROSE』が紫式部文学賞を受賞!

皆川博子の新作『風配図WIND ROSE』が紫式部文学賞受賞



2023年5月10日、株式会社河出書房新社から刊行された皆川博子さんの長篇小説『風配図WIND ROSE』が、第34回紫式部文学賞を受賞したことが発表されました。この文学賞は、古典文学の名作『源氏物語』の著者である紫式部にちなみ、女性作家の優れた作品を表彰するために設立され、宇治市と宇治市教育委員会が主催しています。

作品の背景とあらすじ



『風配図WIND ROSE』の舞台は、12世紀の「ハンザ」黎明期。物語は、バルト海の交易の中心地であるゴットランド島での決闘裁判から始まります。難破船の積貨を巡って繰り広げられる法廷劇、その中で、負傷したドイツ商人の代わりに弁護をすることになった15歳の少女ヘルガの勇気と成長が描かれています。義妹アグネが見守る中で裁判は進行し、運命が大きく揺れ動きます。

この作品は、動乱の時代背景を持つ政争が起きているロシア・ノヴゴロドと、交易商人を志す二人の少女の姿を生き生きと描き出します。劇的な展開とともに、戯曲形式も取り入れられ、物語は瑞々しさと繊細さを持ちつつ、奥行きのある構成で展開します。読者は、中世のバルト海交易やその社会状況に触れつつ、生き抜こうとする少女たちの姿に共感することでしょう。

受賞コメントと作家の歩み



著者の皆川博子さんは94歳という高齢ながら、創作活動を続けており、過去には多くの名誉ある賞も受賞しています。今回の受賞にあたり彼女は、「紫式部の名を冠した賞をいただき、大変光栄に思います。私が描いた物語が21世紀の日本の読者に響いたことが嬉しいです」と感謝の言葉を述べています。特に、彼女自身の生い立ちや戦後日本の男女平等の変遷が、物語の中に色濃く反映されている点が印象的です。

皆川さんはこれまで、様々なジャンルを通して豊かな作品を創り上げてきました。ミステリーや幻想小説、時代小説など、多岐にわたる作品があり、その幅広い創作スタイルには定評があります。現在は、文藝誌での連載や短篇集の刊行も予定されているなど、今後の活動にも期待が寄せられています。

紫式部文学賞贈呈式について



この度、受賞を記念した贈呈式と講演会が2024年11月23日に京都府宇治市で開催されます。その際、東雅夫さんによる講演も予定されており、多くの参加者が集うことが予想されます。皆川さんはご高齢のため、今回の授賞式には出席できませんが、彼女の喜びと共に多くのファンがその成果を祝うことでしょう。

書誌情報



  • - 書名: 風配図WIND ROSE
  • - 著者: 皆川博子
  • - 仕様: 四六判/上製/280ページ
  • - 発売日: 2023年5月10日
  • - 税込定価: 2,398円
  • - ISBN: 978-4-309-03108-8

皆川博子氏の新作『風配図WIND ROSE』の受賞が、日本の文学シーンに新たな風を吹き込むことを期待しつつ、多くの読者に愛され続けることを願います。


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会社情報

会社名
河出書房新社
住所
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201

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