火坂雅志の魅力を再発見!エッセイ集が待望の書籍化
新潟日報に連載されたエッセイ「愛と義のひと 追想 夫・火坂雅志」がついに書籍化されることが発表され、ファンから大きな期待が寄せられています。この本は、火坂雅志氏が2015年に急逝してから10年、妻の洋子氏が彼との思い出や日常を綴ったエッセイを中心に構成されています。
概要
このエッセイ集には、火坂雅志氏の単行本未収録作品が特別収録されており、彼の文学的世界を一層深く楽しむことができます。第一部は、火坂雅志氏の追想を通じて彼が愛した日常や家族との絆が綴られています。特に印象的なのは、妻の洋子氏が語る「酒椿忌」や「わが家の猛犬」といったエピソードで、彼らの生活の中での愛情や支え合いの様子が描かれています。
第二部は、火坂雅志氏の未発表の作品集で、彼の独自の視点や時代感覚が生き生きと表現されています。特に「私のデビュー作」や「羊羹遍歴」など、一篇一篇が彼の日常の中での喜びや発見を色鮮やかに映し出しています。このような視点から、彼の時代小説家としての魅力に再び触れることができます。
エッセイの内容
本書は全体を二部に分けて構成され、第一部では、中川洋子氏自身の語りを通して、火坂雅志氏の人となりや彼との思い出が豊かに描かれています。彼の創作活動を支えた妻の視点からのエッセイは、読者に彼の作品だけでなく、その人間性に深く迫る内容となっています。中でも、「雪のなかで春を待つ」では新潟を想う心情や家族のつながりが綴られ、温かさを感じます。
未収録作品は、火坂氏がどのようにして物語を作り上げていったのかが分かる貴重な資料となっています。「黒い瞳と運命の出会い」など、彼の文学がどのように形成されていったかを知る手助けにもなるでしょう。これらのエッセイは、時代小説の枠を超えた火坂氏の多様な側面を映し出し、読者を彼の世界へといざないます。
著者プロフィール
中川洋子(なかがわ ようこ)
1958年に神奈川県で生まれ、1982年に火坂雅志氏と結婚。彼の執筆活動を支え続けた伴侶として、その貴重な思い出を本書にまとめました。彼女自身も創作活動を行っている作家でもあり、文学界においてその名を知られています。
火坂雅志(ひさか まさし)
1956年に新潟県生まれ、早稲田大学を卒業後、「花月秘拳行」でデビューし、その後「天地人」などの作品を発表。時代小説家として多くの愛読者に支持されましたが、2015年に急逝しました。彼の作品は今もなお多くのファンに愛され続けています。
書籍情報
本書『夫・火坂雅志との約束』は2025年3月5日に発売され、定価は1870円(税込)です。ISBNは978-4-413-23396-5となっており、ぜひ手に取ってその深い内容を楽しんでいただきたい一冊です。
火坂雅志氏の作品や人生への思いを知ることができるこのエッセイ集は、ただの追想にとどまらず、彼の文学に対する情熱と愛が詰まった貴重な資料です。