グローバルトップ企業のリーダー育成術を探るセミナーレポート
最近行われたセミナーでは、ユニリーバおよび日本マイクロソフトの人事担当者が登壇し、企業におけるリーダー育成について貴重な知見を共有しました。コロナ禍において、企業がどのようにリーダーに投資し、成長を促進しているのか、その具体的な取り組みについての深い洞察がありました。
ユニリーバのリーダーシップー「人を中心に」
セミナーでは、ユニリーバ・トルコ・中央アジアの副社長であるメリーサ・ジー・キー氏が語りました。彼女によれば、企業活動の中心には常に人がいるとのことです。特にパンデミックの時期には、従業員自身が自らの目的を見出すことが重要なポイントであると強調しました。
「私たちのリーダーは、個人のリーダーシップスキルの向上に50時間以上を費やしています。これは『人を中心に据えれば、周囲は絶対についてくる』という信念から来ているのです」と、ジー・キー氏は述べます。また、ユニリーバでは、リーダー育成の一環として、内面的な成長に焦点を当てた『インナーゲーム』と、実際のビジネス成果を出すための『アウターゲーム』を融合させた『リーダーシップの基準』を提供しています。
このような取り組みは、リーダーが効率性を求めたり、安定性や秩序にとらわれてしまうことのないように設計されています。つまり、21世紀のリーダーとして求められる資質を育むための訓練が行われているのです。
日本マイクロソフトの変革ー「パーパス」と「カルチャー」
一方、日本マイクロソフトのHRマネージャーであるジュン・ホリエ氏は、企業が時代に合わせて変革しながらも、一貫して「パーパス」と「カルチャー」を重視していると述べました。彼女は、7年前にCEOがカルチャーの変革を主導し、その結果、企業の売り上げが2兆円を超える成長を遂げたと報告しました。
「リーダーは、今や“なんでも知っている”存在から“なんでも学ぶ、学び続ける”存在へと変わらなければなりません。この考え方が、私たちのカルチャーの基盤になっています」とホリエ氏は説明しました。この『グロースマインドセット』が、リーダーとしての成長を促すカギだと言えます。特に、マネージャーは部下の模範となり、コーチングを行うことで、信頼と成長を促進する役割が求められています。
このような取り組みは特にコロナ禍において重要度が増しており、リーダーが部下に対してどのように接するかが直接的にビジネスの成果に影響を与えることが求められる時代となっています。
企業成長の鍵は「人」へ
ユニリーバと日本マイクロソフトの事例は、危機的な状況でも「人」を中心に据えたリーダー育成と、その投資が企業成長の原動力となることを示しています。コロナ禍という不確実な環境の中で、企業がどのようにリーダーを育て、支えることで成長を遂げていくのか、今後の動向が注目されます。セミナーの詳細な内容については、公式ウェブサイトを訪れればさらなる情報が得られます。
講演内容の全文はこちらや
こちら。