新たな産後支援プログラムが始動
一般社団法人WIT(ウィット)、東京都文京区に拠点を置き、代表の山本未生が率いるこの団体は、非営利団体と民間企業の連携を強化し、社会的なインパクトを創出するリーダーシップ育成プログラム「ボードフェロープログラム」を2021年7月より開始しました。特に「インクルージョン&エンパワメント」をテーマに掲げ、女性が産後も自らの力を発揮し続けるための社会づくりを目指します。
日本では、産後うつを経験する母親が4人に1人いるという厳しい現実があります。また、第一子出産後に職場復帰を果たす女性は、約半数にとどまっています。シングルマザー家庭の子ども貧困率は55%を超え、この状況はコロナ禍で一層悪化しています。これらの課題に対処するため、ボードフェロープログラム第1期には、産前産後の女性支援に取り組む3つの非営利団体が参加します。これらの団体は、NPO法人きずなメール・プロジェクト、認定NPO法人ノーベル、NPO法人マドレボニータです。
参加するビジネスリーダーはJPモルガン証券株式会社の社員を含む15名であり、大学教授や弁護士、医者など多様なバックグラウンドを持つ人々がチームを組み、非営利団体との協力によって社会課題の解決を図っていきます。7月16日には「社会的インパクトにつながるガバナンス」をテーマにした公開イベントも予定されています。
このプログラムの特筆すべき点は、単なるボランティア活動に留まらず、非営利団体の経営課題をリアルタイムで共有し、ビジネスリーダーが同じ視座に立って共に取り組む点です。6か月間の活動を通じて、組織を超えた持続可能な協力関係を築き、多くのビジネスリーダーが非営利団体の理事やアドバイザーとして貢献することを目指します。
プログラムに参加する認定NPO法人ノーベルの高亜希代表は、「ビジネスリーダーとの新たな視点からのディスカッションを通じて、母親だけでなく社会全体での子育て支援を進めることに貢献できるのを楽しみにしています」と述べています。
WITの活動と参加団体
WITでは、200以上の社会的ミッション企業や500名以上のビジネスリーダー、非営利組織のリーダー、学生などに対し、リーダーシップ育成プログラムを提供してきました。このプログラムの一環として、参加団体にはそれぞれ特有の使命があります。
- - NPO法人きずなメール・プロジェクトは、孤立した出産を支援するために「きずなメール」というテキストメッセージサービスを提供し、産後うつや乳幼児虐待といった社会問題の解決に取り組んでいます。
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- - 認定NPO法人ノーベルは、母親が当たり前に働ける社会を実現するために、訪問型病児保育や一時保育事業を展開し、労働環境と育児の両立を目指しています。
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- - NPO法人マドレボニータは、産後の健康面や精神的な支援を重視しており、産前産後ケア教室を開設することで、産後女性が本来の力を取り戻せるよう手助けしています。
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まとめ
今後、WITによるこのプログラムがどのように発展し、社会的な課題解決に寄与していくのか、注目が集まります。興味がある方はぜひ公式サイトまたは問い合わせ先へご連絡ください。