リーガルテック社が掲げる新たな次元の業務効率化
リーガルテック株式会社は、会計業務やM&A業務の知的生産性を飛躍的に向上させる新機能を発表しました。2025年5月15日、東京都を本社とする同社は、同社のバーチャルデータルーム(VDR)「リーガルテックVDR」へ独自開発の生成AI「AI孔明」を統合しました。この新機能は、特に会計事務所やM&A関連の企業に向けており、業務の効率化を図ります。
近年、M&Aや事業承継が進展する中、財務や契約、税務、人事といった情報の精査は非常に重要な作業となっています。ここで重要になるのが「DD(デューデリジェンス)」です。掘り下げた調査と情報の正確な把握が求められる中、リーガルテックVDR AIは文書の分析やリスクの抽出、契約の要点整理、ナレッジの再活用を自動化します。このプロセスを通じて、専門家の業務効率が飛躍的に向上します。
効率的な業務内容の整理
具体的な活用シーンを見ていきましょう。まず、財務・会計資料の整理が挙げられます。リーガルテックVDRは、財務諸表や試算表を読み取り、要約してタグ付けを行います。これにより、膨大なデータの整理にかかる時間が大幅に短縮され、ナレッジの検索性も向上します。
契約書のレビューでは売買契約や業務委託契約の要点を抽出し、比較分析が可能です。この機能は、リスクの所在を検出し、契約交渉をサポートします。また、デューデリジェンスでは、財務や税務、法務のデータを項目別にチェックリスト化し、網羅性と正確性を担保します。
クロスボーダーM&Aにおいては、多言語での文書自動要約や翻訳が行え、ローカル法規との照会もスムーズに行えます。この機能により、国際案件でのスピード対応力が一層強化されるでしょう。
さらに、バリュエーション支援では、過去の類似案件を比較して企業価値を評価することが可能です。この結果、知的財産や契約資産の見える化が促進され、評価精度も高まります。
主な機能の概要
リーガルテックVDRは、セキュアな文書管理機能を搭載しています。アクセス制御、証跡ログ、全文章の検索、暗号化通信、多要素認証がその一部です。また、生成AI「AI孔明」により、文書の自動分類やリスク検出、過去の契約と比較する機能などが備わっています。多言語要約や翻訳に加えて、AIチャットを介して文書内容のインタラクティブな確認も可能です。
今後の展望
リーガルテック社は、今後さらに新機能を追加する予定です。これには株式価値算定のロジックや財務モデルのAPI連携、M&Aアドバイザリーとのシステム連携が含まれます。会計分野やM&AにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、専門家の判断力をAIで支援する方向性を明確にしています。
会社概要
リーガルテック株式会社は、2021年3月に設立され、資本金は約3億8,000万円です。現在は東京都港区虎ノ門に本社を構え、代表取締役は佐々木隆仁氏です。知的財産とリーガルテックの分野で革新を続け、多様なサービスを提供しています。プライベートAI特許管理システム「MyTokkyo.Ai」や知財ポータル「Tokkyo.Ai」を運営し、さらに契約管理や商標サービスも展開するなど、企業の知財戦略を強力に支えています。
これからもリーガルテック社の取り組みから目が離せません。