2025年5月4日、世界的に有名なチャリティーラン「Wings for Life World Run」が、日本時間午後8時に世界中の参加者とともにスタートしました。このイベントは脊髄損傷の治療法を探るための資金を集めることを目的としており、今年で12回目を迎えました。
日本全国では東京、大宮、福岡、広島といった各地でランナーたちが集結し、同じ時間にスタート。特に東京会場では、様々なジャンルのアスリートや有名人が参加し、会場を盛り上げました。例えば、スキージャンプの小林陵侑、スノーボードの鬼塚雅、スケートボードの草木ひなのなど、レッドブル・アスリートたちが共演しました。
今年は170カ国から計310,719人が参加し、過去最高の860万ユーロ(約14億円)もの寄付金を集めることに成功しました。この寄付金は、すべて脊髄損傷の研究に使われ、累計寄付額は6,053万ユーロ(約99億円)に達しています。
このイベントのユニークな特徴は、ゴールが存在しないという点です。スタートから30分後に、キャッチャーカーが参加者を追いかけ、追い越された時点でレースは終了します。この形式によって、全員が一斉にスタートできるわけです。
東京会場の参加者たちは、華やかな仮装やフェイスペイントを施し、賑やかな雰囲気の中でスタートを待ちました。20時のカウントダウンとともに、会場が一体となって「ゼロ!」と叫ぶと同時に、ランナーたちは元気よく走り出しました。
イベント開始から1時間が経過すると続々とフィニッシュするランナーが現れ、猪狩ともかさんや渋谷真子さんも車いすで懸命にレースに挑みました。参加者数は徐々に減り、約3時間後には962人の精鋭ランナーが残る状態となり、目指すは世界記録更新です。
福岡会場の福田穣さんは71.67kmを走破し、男子部門で世界チャンピオンに輝き、女子部門ではドイツのエスター・ファイファーさんが59.03kmを走り、優勝を果たしました。東京会場では、初参加の屋代沙由未さんが44.04kmを記録し、国内女子トップに輝きました。
参加者の中には、やはり脊髄損傷の影響を受けた方々が多く居ます。元プロ野球選手の赤星憲広さんもその一人で、自身の経験を強調しながら、寄付金が治療研究に寄与する様子に感動を表していました。また、猪狩ともかさんは、イベントの楽しさと意義を再認識し、参加者の皆に気軽に参加してほしいと語りました。
このチャリティーイベントには、誰もが共感しやすい理由があると感じます。「Wings for Life World Run」は、走ることで脊髄損傷の治療への理解を深め、支援することができる貴重な機会です。来年の開催に向けて、さらなる参加者数の更新を期待しつつ、全ての参加者に感謝の気持ちを伝えたいと思います。
来年の「Wings for Life World Run」は2025年11月5日からエントリーが開始される予定です。皆さんもぜひ、この素晴らしいイベントに参加し、一緒に走る仲間を増やしていきましょう。
最後に、Wings for Life財団の理念と使命について触れておきます。この非営利団体は、脊髄損傷の治療法を見つけるために活動しており、2004年から多くの研究に支援を行っています。脊髄損傷は事故などで起こることが多いですが、この団体の活動によって、未来の治療方法が見つかることを願っています。