次世代素材PlaX™が変える繊維産業の未来とその持続可能性

Wing Taiと瀧定名古屋の連携

香港に本社を置く世界的なアパレル企業、Wing Taiと愛知県名古屋市に本社を有する瀧定名古屋株式会社が連携し、環境に優しい次世代合成繊維「PlaX™」の供給を進めています。この新素材は、植物由来のポリ乳酸を原料とし、サステナブルなファッション業界を支える重要な素材として注目されています。

繊維市場の現状と課題

世界の繊維市場は人口増加とともに拡大しており、特に石油由来の合成繊維が市場の約60%を占めています。しかし、石油資源の有限性やCO2排出問題が背景にあり、持続可能な素材の必要性が急務となっています。最新の報告書によると、石油由来の合成繊維の生産量は2022年から2023年にかけて増加している一方で、環境への影響が懸念されています。

PlaX™の特性

PlaX™は、サトウキビなどの植物から得られるポリ乳酸に、独自の植物由来添加剤を加えた新素材です。以下はその主な特徴です：

- CO2排出量の削減：ポリエステルと比較して原料から糸製造までのCO2排出量を41%減少させる。
- 水使用量の削減：綿と比較して水使用量を90%削減。
- 生分解性：微生物によって水やCO2に分解される性質を持つ。
- ケミカルリサイクルとの親和性：廃棄物から同等素材の再生産が可能。
- 焼却時の環境負荷軽減：ダイオキシンなどの有害物質を発生させない。

これらの特性により、PlaX™は持続可能な素材としての役割を果たし、今後もさらなる普及が期待されます。

Wing Taiの持続可能な取り組み

Wing Taiは、アジア各国で高い市場シェアを誇る企業でありながら、サステナブルな製品開発にも積極的です。特にカンボジアにある縫製工場では、年間約3,000万着の製品を生産しつつ、環境負荷を減らすために最新の水循環システムを導入しています。このシステムにより、水使用量を80-90%削減することに成功し、さらなる改善を目指しています。

今後、Wing Taiは「水排出量ゼロ」を目指し、環境への配慮を求める国際的なアパレルブランドからの高い評価を受け続けるでしょう。

サステナブルファッションEXPOでの展示

2024年10月15日から17日にかけて東京ビッグサイトで開催される「第4回サステナブルファッションEXPO 秋」では、PlaX™の新作生地と製品が展示されます。Wing Taiのブースでは、カンボジア工場における環境負荷削減の取り組みと、新たに開発したPlaX™製品を紹介します。展示は国際的なプラットフォームとなり、PlaX™の認知度向上とともに、持続可能な素材の普及を後押しします。