現代人を悩ます甘いもの依存の原因とは?血糖変動の仕組みを深掘り
現代人を悩ます甘いもの依存の原因とは?
近年、甘いものへの依存が多くの人々の健康に影響を与えていることが再び注目されています。この依存は、私たちの食生活の変化と血糖値の不安定性が密接に関連していることが分かってきました。最近の研究では、この現象の理解を深める手掛かりが示され、甘いもの依存の背後に潜むシステムが明らかになっています。他の研究チームと協力した、みぞぐちクリニックと福島県立医科大学医学部の研究者たちは、139人を対象にした5時間にわたる糖負荷検査を実施。結果として、血糖値の変動と不調、さらにはインスリン分泌のタイミングが重要であることが明らかになりました。
甘いもの依存とは?
甘いものや炭水化物に対する craving(欲求)は、多くの人に共通する現象です。この欲求の背後には、血糖値の急上昇と急降下があり、これが不調の主な原因となることが分かっています。特に、食後の4〜5時間後に血糖値が低下すると、多くの人が「動悸」「手足のしびれ」「ふらつき」などの症状を感じることが研究で明らかになりました。これらの症状が特に顕著に現れるのは、インスリンが早期に大量に分泌される場合です。
血糖を巡るジャングルジム
私たちの食生活は、パンやご飯、甘いおやつなどの高糖質食品に満ちています。これらを一緒に摂ると、血糖値が急激に上昇し、それに対抗するために膵臓からインスリンが大量に放出されます。しかし、これが一巡すると、今度は急激な血糖の低下が起こり、脳に十分な栄養が供給されなくなります。この状態を「隠れ低血糖」と呼び、アドレナリンが放出されることで不安感やイライラ、さらには動悸などの不快な症状が現れます。
インスリンのタイミングがカギ
新しい知見として、この研究では血糖値が正常であっても、インスリンの分泌タイミングが早い人においては、自律神経系の症状が強く現れることが示されました。これは、単に血糖値が下がることだけでなく、その「タイミング」が重要であることを示唆しています。きちんとした血糖管理がされていないと、知らず知らずのうちに不安定な状態に陥ることがあります。
依存からの脱却
晩御飯に甘いデザートを追加したり、間食でスナックを多く摂ってしまうと、結果的には血糖の急激な変動を引き起こします。この「糖質過多」が、さらなる甘いものへの依存を助長する要因です。依存を克服するためには、現代の食生活を見直し、糖質を制限することが必要です。食事内容の改善を進めることで、体が糖質に依存しないエネルギー代謝を行えるようになることが期待されます。今後は、個々のインスリン分泌のプロファイルに基づいた食事指導が必要とされるでしょう。
研究論文について
この研究は、みぞぐちクリニックと福島県立医科大学医学部のチームによって実施され、糖負荷検査によるインスリン動態と自覚症状の関連性を強調した日本初の大規模データに基づいています。
会社情報
- 会社名
-
医療法人回生會みぞぐちクリニック
- 住所
- 東京都中央区八重洲1-4-10八重洲仲通りビル11階
- 電話番号
-
03-6910-3847