新しい絵本『森のはずれの美術館の話』の魅力
2025年8月、国立西洋美術館を舞台にした絵本『森のはずれの美術館の話』が刊行されます。この作品は、著名な作家・梨木香歩の文と、人気の絵本「リサとガスパール」シリーズで知られる画家・ゲオルグ・ハレンスレーベンによる美しいイラストが融合した、特別な一冊です。
絵本の内容について
本書は二部構成で、第一部では「電車に乗って美術館に来たある母子の話」が描かれます。物語は、ある男の子が母親とはぐれ、美術館の中でさまざまなキャラクターと出会う様子から始まります。彼は不思議な眼を持つ女の子や神秘的な紳士、そして出会ったあひるたちに導かれ、一枚の絵と運命的に出会います。この出会いを通じて、彼は絵との深い結びつきを経験し、感動的な体験をすることになります。
続く第二部「西洋美術館クロニクル」では、数年の時を超えた未来の物語が展開され、大人の読者に向けた深いテーマが探求されます。西洋絵画を展示する美術館が遥か東の国に誕生するまでの歴史を、ファンタジーと現実が融合した詩的なスタイルで語ります。建築家のプライドや西洋美術の意味、そして絵を見る人々への眼差しが描かれ、歴史の重みを感じることでしょう。
著者の意図
梨木香歩は、作品を創作するにあたり、ただ一人の物語だけでなく、多くの人々の思いが込められた美術館の物語を綴りたかったと語ります。西洋美術の殿堂としての美術館が持つ重みや、戦火に耐えてきたコレクターたちの想いが詰まっているのです。
ゲオルグ・ハレンスレーベンもまた、美術館での自身の経験からインスピレーションを受け、魔法のような世界を描き出しています。彼は子供の頃に訪れた思い出と、美術館のあの特別な空間が持つ魔法的な魅力を表現できればと願っています。
書誌情報
- - 書名: 森のはずれの美術館の話
- - 著者: 梨木香歩(文)、ゲオルグ・ハレンスレーベン(絵)
- - 発売日: 2025年8月20日(水)
- - 価格: 税込2,200円
- - ページ数: 50ページ
- - ISBN: 978-4-908356–70-4
本書は国立西洋美術館のミュージアムショップや全国の書店で発売されます。また、作品発表に伴い、銀座の森岡書店で先行販売と出版記念展も開催予定です。その頃には、特別な展示も用意されていますので、ぜひ訪れてみてください。
まとめ
『森のはずれの美術館の話』は、国立西洋美術館という特別な場所を舞台に、子供から大人まで楽しめる深い物語を提供します。この本を通じて、絵と人との愛情、文化との結びつきを再発見する旅へと出かけてみてはいかがでしょうか。