渡辺えり古稀記念公演『りぼん』がCSで初のテレビ放送決定！

渡辺えり古稀記念公演『りぼん』テレビ初放送決定

2025年に上演された「渡辺えり古稀記念公演『りぼん』」が、5月31日（土）午後7時より、CS衛星劇場にてテレビ初放送されることが決まりました！今回の公演は、80年代の小劇場ブームを牽引し、今なおエネルギーに満ち溢れる渡辺えりが70歳の誕生日を迎えることを記念した特別なものです。

公演は渡辺えり自身が脚本と演出を手掛け、豪華なキャスト陣が集まりました。出演者には室井滋、シルビア・グラブ、大和田美帆など個性豊かな俳優たちが顔を揃えています。作品では、激動する日本社会の中で様々な思いを抱える女性たちの姿が力強く描かれ、観客に深い感動を与えます。

『りぼん』のストーリー

物語は、現代の横浜を舞台に展開されます。「すみれ」、「百合子」、「桜子」という三人の女性が、過去の傷と共に暮らす同潤会アパートの入居者として描かれます。彼女たちの周りには、シベリアにて抑留されていた夫を持つ春子や、謎の老女馬場なども登場し、各々が心に秘めた複雑な過去が絡み合います。

その一方で、潤一という青年は特異な病を抱えています。水色のりぼんを吐き出すという奇病を持つ彼は、母の遺骨を探す旅をしながら、浜野リボンという名の女性と出会います。彼女は自らを娼婦の姿に変え、衝撃の真実を求めて横浜を彷徨っています。水色のりぼんを持つ二人は、運命的に引き寄せられ、同潤会アパートでの出会いを果たします。

時代背景とテーマ

『りぼん』は、過去において女性が差別を受けた日本の現代史を反映し、女性たちの力強い生き様を描いています。特に、住人春子の過去に隠された真実は、観客に大きな衝撃を与えることでしょう。彼女の愛娘は夫によって命を奪われ、その過去が今に繋がっていく様子は、物語全体の核をなすものです。

本作品は、バンドネオン、ピアノ、チェロの生演奏を伴い、歌と演技が見事に融合した音楽劇として鑑賞者に刺激を与えます。2003年に初演、そして2007年に再演されたこの作品が、再び現代に蘇ります。