毎日の歯磨き、意外な実態とは?全国調査から見える新たな歯磨きスタンダード
11月8日の“いい歯の日”を控え、花王株式会社が実施した「全国歯磨き本音調査」が注目されています。この調査は、全国の20代から60代の男女約1万人を対象に、普段の歯磨きに関する本音や実態を調査したものです。また、歯科医や歯科衛生士の専門家200名にも意見を求めています。これにより、一般生活者の歯磨きに対する意識と行動のギャップが浮き彫りになりました。
調査結果の概要
PART1: 「生活者1万人の歯磨きの本音・実態」
1.
歯の健康に対する関心
約93%の人が自分の歯の健康を重視しているものの、実際には74%が「丁寧に歯磨きをしたいが、毎日それを実践するのは難しい」と感じています。このことから、オーラルケアに対する意識が高い一方で、実際に行動に移すことに困難を感じていることがわかります。
2.
ながら磨きの普及
約70%の人が「ながら磨き」をしており、特に20代ではこの割合が80%を超えています。テレビやスマホを操作しながらの歯磨きが一般化している現状が浮き彫りになりました。調査によると、夜の歯磨きで平均5分以上を費やす傾向があり、一部の回答者は「30分以上磨く」とも答えています。
3.
時間を有効活用する意識
調査に参加した人たちは「歯磨きだけを行うのは時間がもったいない」と考えており、ながら磨きを実践していると推測されます。歯磨きの際には、時間を効率よく使いながらも、磨き残しに気を付ける必要があります。
PART2: 「歯のプロ200人に聞いた歯磨きの実態」
1.
自己採点の厳しさ
全国の生活者が自己評価した平均点は61.6点。90点以上を自己採点した人はわずか6%という結果が出ています。これにより、多くの人が自身の歯磨き実践に自信がないことがわかります。
2.
プロの意見
歯科医や歯科衛生士に対して行った質問では、約80%が「一般の人々は正しく歯磨きができていない」と感じていることが答えとして返ってきました。正しい磨き方を実践する難しさを、プロの視点からも確認できます。
3.
実行の難しさ
歯科医の78%、歯科衛生士の86%が「毎日の正しい歯磨きを実践するのが難しい」と回答しています。これは、歯磨きに関する啓発を促す重要なデータです。
現代人の歯磨き習慣への考察
この調査から明らかになったのは、歯の健康の重要性に対する意識は高いものの、実際には十分に行動が伴っていないという現実です。「ながら磨き」が普及し、特に若い世代においては効率的な時間の使い方が求められていることがうかがえます。このような傾向に対して、どのように適切なオーラルケアを取り入れていくかが、今後の課題となるでしょう。
まとめ
この調査は、私たちが普段行っているはずの歯磨きに対する意識と行動の間にあるギャップを浮き彫りにしました。歯の健康を守るために必要なのは、単に磨くことではなく、正しい情報と方法を知り、それを実践することです。今後、より多くの人が正しい歯磨きを実践できる環境が整うことを願います。