J.フロント リテイリングがGHG排出量可視化プラットフォームを導入
2025年2月、J.フロント リテイリング株式会社(以下、JFR)が株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)のGHG排出量可視化プラットフォームである『C-Turtle®』を導入することが発表されました。この技術により、同社は2050年までのネットゼロ目標の実現に向けて大きな一歩を踏み出します。2025年3月から本格的に運用開始されるこのプラットフォームは、百貨店業界全体での持続可能な取り組みを支援すると期待されています。
背景と目的
JFRは気候変動への取り組みをサステナビリティ経営の中心課題として捉え、積極的な対策を打ち出しています。特に、省エネや再生可能エネルギーへの転換を進め、Scope1およびScope2の排出量を削減。さらに、サプライヤーとの協力を通じてScope3排出量の削減に向けた努力も行っています。実際、百貨店業界におけるScope3排出量の90%がカテゴリ1(調達した製品・サービス)に占められており、JFRは自社の取り組みだけでなく、取引先との連携が不可欠であることを理解しています。
これまで、JFRは主要な事業会社である大丸松坂屋百貨店を中心に、サプライヤーと対話を重ねてきました。具体的には、排出量の算定や削減目標の設定に向けたコミュニケーションが行われてきましたが、今後はNTTデータのC-Turtleを導入することで、より多くのサプライヤーとの一次データの連携を進める予定です。
取り組みの概要
2025年3月からJFRはNTTデータのC-Turtleの運用を開始します。このプラットフォームを利用することで、2024年度からのサプライヤーの削減努力を算定に反映させることができ、またサプライヤーの排出量の可視化が可能になることで、バリューチェーン全体でのGHG排出量の算定および削減が大いに促進される見込みです。サプライヤーとのエンゲージメントが強化されることで、削減可能なScope3の算定が実現します。
今後の展望
JFRは今後、百貨店業界のサプライヤーと協力し、GHG排出量削減のモデルケースを構築することを目指しています。業界特有の特性を活かしながら、社会全体の脱炭素化に寄与するための真摯な取り組みを続け、他業界にも良い影響を与えられるような仕組み作りを進めてまいります。
また、NTTデータはこの取り組みを支援することで、社会全体のネットゼロ達成に向けたコンサルティングやソリューションを提供し、サプライチェーン全体のGHG排出量削減に貢献していきます。
C-Turtleについて
C-Turtleは、NTTデータが開発したGHG排出量可視化プラットフォームです。一般的に、Scope3の算定は企業の活動規模と市場平均値を元に行われるため、実際の削減努力が反映されづらいという課題がありました。しかし、C-Turtleはサプライヤーの排出量の実測値を活用し、企業の削減努力を自社排出量に取り込むことができるため、より正確な算定が可能です。
このように、サプライチェーンを通じてGHG排出量を可視化し、削減活動を推進するC-Turtleは、持続可能な未来に向けた重要なステップを提供します。