三菱電機が新しい「マスターキャリア制度」を導入
三菱電機株式会社は、定年退職後の再雇用者がより活躍できる環境を整えるために「マスターキャリア制度」を新設することを発表しました。この新制度は2026年度から適用され、年齢に関係なく豊富な経験や能力を活かせる仕組みを目指しています。
これまでの従来制度を見直し、新たに「人的資本経営」という考え方に基づいた支援策が導入されます。人的資本価値の最大化を通じて、企業の価値向上を図ることを目的としており、このストラテジーは定年退職前の従業員にも適用される予定です。
従来の制度からの変更点
新制度では、定年退職前と同様の等級・評価・報酬制度を再雇用者にも適用します。具体的には、従業員の能力に基づいた役割の価値を起点とする等級体系や、上司と従業員がキャリアや業績目標についてすり合わせを行う「ME Time」などが含まれます。また、業績評価は「成果評価」と「行動評価」の2つの軸で実施し、これを賃金や賞与に直接反映する仕組みが確立されます。このアプローチにより、再雇用者が自律的に挑戦し成長できる機会が一層増えるでしょう。
さらには、再雇用契約の方式も大きく変更され、従来の61歳から65歳までの1年ごとの契約を廃止します。再雇用者は、再雇用終了時期を自ら選択できるため、より柔軟にキャリアプランを描けるようになります。これにより、再雇用者の職務マッチングが実施されれば、65歳以降も継続雇用が可能となり、個人のニーズに応じた働き方が実現されるのです。
社会貢献と成長を目指す取り組み
三菱電機は、今後も多様で多才な人材が自分のキャリアをデザインしながら能力を発揮できる環境を整備していきます。この新制度は、再雇用者一人ひとりが自律的に挑戦し、変化する社会のニーズに応える力を養うことを目的としています。
さらに、企業としてもこれらの取り組みを通じて全体的な成長を目指し、社会課題の解決に貢献していく姿勢を強調しています。
結論
「マスターキャリア制度」の導入は、再雇用者が今後もイキイキと働ける環境を提供する重要なステップです。社員のキャリアオーナーシップを尊重し、実際のパフォーマンスに基づく透明性のある評価システムを導入することで、全従業員が企業の成長に寄与できる機会を手にすることが期待されます。
これにより、三菱電機は持続可能な成長と社会的責任を果たしていく企業文化を強化し続けるでしょう。