パッケージ戦略の進化
ロンドンに本社を置く市場調査会社、ミンテルは「TOKYO PACK 2026」において、今後のビジネス成長を支えるパッケージ戦略に関する講演を行いました。この講演では、環境への意識は高まり続ける一方で、消費者のリサイクル行動が減少している現状について触れました。新たな商品には「リサイクル可能」を強調するものが増えてきていますが、消費者の実際の行動にはギャップが見られます。
消費者の環境意識と行動のギャップ
最近の調査によると、環境配慮に対する消費者意識は維持されていますが、実際のリサイクル行動においては減少が見られています。特に主要市場において、過去12カ月間にパッケージをリサイクルした消費者の割合は、以前と比較して低下しています。これには、消費者と企業の間での理解の差が存在します。
明瞭さの重要性
ミンテルは、世界83市場を対象に行った分析から、成功しているパッケージには「明瞭さ」が大きな要素であることを示しました。この「明瞭さ」とは、消費者が商品を短時間で理解するための指標です。調査によると、高評価のパッケージは平均よりも明瞭さにおいて24.2ポイント高いことが明らかになっています。
消費者が商品を選ぶ際、まず店舗やオンラインで見つけられることが必要であり、その後、その価値を理解してもらわなくてはなりません。ただ目立つことではなく、いかにわかりやすく商品の価値を伝えられるかが重要です。
消費者参加を促す仕組み
環境に対する意識を実際の行動に結びつけるためには、消費者が参加しやすい仕組みが重要です。例えば、日本ではビューティー・グルーミング製品において「詰め替え可能なパッケージ」が42%の消費者によって支持されています。それに対し、「リサイクル可能なパッケージ」は24%、包装の削減は22%という結果が出ています。企業は、単なる環境訴求に留まらず、消費者が実感できる価値を提供する必要があります。
価格と実利のバランス
また、日本の顧客は環境配慮だけでは価格上乗せを合理化できないことが調査で示されています。消費者は「効果や機能の科学的な裏付け」を重視しており、環境重視のパッケージに対する価格の受容度は低い傾向にあります。この点を踏まえると、企業にはサステナビリティを実利的な観点からも訴求することが求められています。
パッケージの未来
今後のパッケージ戦略においては、Attention(注目)、Trust(信頼)、Engagement(参加)の3つの視点が鍵となります。
- - Attention: 消費者に価値が伝わっているか。
- - Trust: 信頼できる根拠や実績があるか。
- - Engagement: 購入後も消費者との接点が続いているか。
パッケージはもはや商品の終着点ではなく、ブランドの体験の出発点としての役割が求められます。消費者との関係構築を継続するために、QRコードなどデジタル技術を駆使し、環境への参加を促す機会を提供することが重要です。
講演資料の公開
今回の講演資料は無料で公開されています。詳細なデータやマーケット動向については、下記のリンクからダウンロードできます。
TOKYO PACK 2026 ミンテル講演資料を無料でダウンロード
結論
企業は今後、消費者の環境意識に応えるため、新たなパッケージ戦略を考慮する必要があります。消費者の行動と意識のギャップを埋めるための取り組みを設計することで、持続可能なビジネスの成長を実現することができるでしょう。