テレビ東京がFASTコンテンツを海外市場に向けて配信開始

テレビ東京のFASTコンテンツ、海外市場に本格進出

テレビ東京グループは、米国を中心に急成長している広告付き無料ストリーミングサービス、通称FAST（Free Ad-supported Streaming TV）を利用し、海外向けのコンテンツ配信をスタートしました。今回の取り組みは、日本の魅力を海外に発信することを目的とし、観光用途や海外の視聴者に向けた多岐にわたるコンテンツを制作しています。

今後の展開として、テレビ東京は2024年度内に1200本、2026年度までに1万本のコンテンツを配信する計画です。これらのコンテンツは、テレビ東京のFAST事業推進室が企画・制作を行い、さらにEC（電子商取引）やIP（知的財産）ビジネスへの展開も視野に入れています。新たなコンテンツビジネスとして、急速な成長が期待されています。

多彩なチャンネル展開

FASTコンテンツの中でも注目すべきは、集客力の高いYouTubeなどのプラットフォームでの配信です。10月からは、テレビ東京が手掛ける乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の英語版「PushBaby」をはじめ、日本の飲食店を紹介する「Japan Eats」や、職人技を取り上げる「JProcess」、古民家の魅力を伝える「Japan old house tour」など、合計13チャンネルがスタートします。加えて、系列局であるTVQ九州放送の地元祭りやグルメに関するコンテンツも追加される予定です。

これらのコンテンツは、過去に放送した番組を効果的に再利用しながら、効率的に制作されます。日本ならではの文化や技術、食を体験できる内容となっており、海外の視聴者にとっても新鮮で魅力的なものになるでしょう。

FASTとは何か？

FASTは、地上波のテレビ放送やVOD（オンデマンド型動画配信サービス）に次ぐ「第3のテレビ」として位置付けられており、視聴者が選択したチャンネルから連続的に流れてくるストリーミング型のコンテンツを受動的に楽しむことが特徴です。特に、米国や他の国々でも視聴者の間での需要が急速に拡大しており、今後さらに市場が成長することが見込まれています。

このビジネスモデルは、AVOD（広告付き動画配信）やSVOD（定額制動画配信）とは異なり、視聴者が自分の好きなチャンネルを選ぶことで、より多様なコンテンツを楽しむことができます。これは、テレビのネット接続が広がる中で、新たな視聴体験を提供するものとして注目されています。

未来への展望

テレビ東京は、これらのFASTコンテンツを通じて、日本の文化やエンターテイメントを海外へ発信し、国際的な観光促進にも貢献したいと考えています。将来的には、これらのコンテンツが日本の良さを伝える重要な手段となることが期待されており、日本への旅行者にとっては、より身近に日本の魅力を知るきっかけとなることでしょう。今後の展開から目が離せません。