元ユネスコ事務局長・松浦晃一郎氏が世界遺産アカデミー会長に就任
NPO法人世界遺産アカデミーは、2024年7月1日付で、元ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏が新会長に就任したことを発表しました。松浦氏は、故・愛知和男前会長の遺志を継ぎ、世界遺産アカデミーの活動を通じて、人類の多様な文化遺産の保全と活用、さらにはユネスコの平和理念の追求を目指していくと意気込みを語っています。
松浦氏は、1937年生まれ。東京大学法学部卒業後、外務省に入省し、駐仏大使や世界遺産委員会議長などを歴任。2003年から2009年まではアジア初のユネスコ事務局長を務め、組織改革や米国の加盟復帰実現、無形文化遺産保護条約の策定など、数々の功績を残しました。
松浦新会長は、就任にあたり「ユネスコが世界遺産条約を採択してから今年で52年になります。私がユネスコの事務局長を務めていた時代は、世界中の文化遺産や自然遺産にとって大きな影響のある出来事が多くありました。現在でも世界各地で紛争などが多発し、ユネスコの目指す平和な世界の実現は道半ばです。ユネスコの平和実現には、市民の人々の力と理解が重要です。世界遺産アカデミーでは、世界遺産検定や講演会、クリーンツーリズムなどのイベントを通じて、ユネスコの理念の普及と世界遺産活動の拡大を目指してまいります。」とコメントを発表しました。
世界遺産アカデミーは、2006年から「世界遺産検定」を開催しており、これまでに35万人以上が受検、20万人以上が認定されています。世界遺産検定は、ユネスコの理念を知り、世界遺産活動の輪を広げることを目的に、文部科学省後援のもと、年4回、全国の主要都市で開催されています。
松浦新会長の就任により、世界遺産アカデミーの活動はさらに活発化すると予想されます。今後の世界遺産アカデミーの活動に注目です。
世界遺産アカデミーとは?
世界遺産アカデミーは、ユネスコの理念を広め、多文化理解を進めることで、世界遺産の保全活動の輪を広げ、社会に貢献することを目的として設立されたNPO法人です。
主な活動としては、世界遺産検定の開催、世界遺産の専門家による講演会の開催、自治体・教育機関への講師派遣、各国大使館での文化体験イベントの開催、世界遺産の保全活動を体験するクリーンツーリズムイベントの開催、世界遺産の建築見学ツアーなどがあります。
世界遺産アカデミーは、世界遺産の保全活動の重要性を広く啓発し、次世代へつなぐため、今後も様々な活動を行っていく予定です。