平和を築くために私たちができることとは?『僕らは戦争を知らない』特集
2025年7月に発売される書籍『僕らは戦争を知らない世界中の不条理をなくすためにキミができることハンディ版』(以下、『僕らは戦争を知らない』)が注目を集めています。この本は、戦後80年を迎えた日本において、平和の促進を目指す重要な一冊です。
書籍の概要
この書籍では、世界中で起きている不条理について考え、それを解決するために読者がどのような行動を取れるのかを提示しています。また、この本の売上の一部は、認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)に寄付され、実際に支援が行われるとのことです。書籍の企画・編集を担当した澤田未来さんと、AAR Japanの栁田純子さんとの対談からも、その熱意が伝わってきます。
彼女たちの熱い思い
対談で澤田さんは、AAR Japanの活動に対する深い理解と共感を示し、平和を願う多くの読者の意思を行動に結びつけることが重要であると述べました。そして栁田さんも、AAR Japanの具体的な支援活動について語り、多くの困難に直面する人々を支え続ける意義について触れました。彼女たちの言葉からは、相手の境遇を理解し、共感することがどれほど大切かが改めて浮き彫りになりました。
支援がもたらす変化
AAR Japanは、1979年から活動を開始し、18カ国で難民支援や自然災害時の支援を行っています。また、地域のコミュニティとの密接な関係を築くことで、障がい者や高齢者にも手が届く支援ができるよう努力しています。大規模な団体とは違い、小規模な団体だからこそ実現できる支援の形が存在するのです。
その背景には、支援対象者と地域住民との良好な関係構築を目指す姿勢があります。このような思考は、一般的に見落とされがちな難民支援の側面であり、私たちが学ぶべき重要な要素です。
戦争のリアリティ
また、栁田さんはシリアやウクライナでの難民支援の経験を語り、その中で出会った人々の「レジリエンス」、つまり困難を乗り越える力についても触れました。困難な状況にある中で笑いを交えながら生きている人々の姿は、我々が持つべき「人間の強さ」を示しています。彼らもまた、日常を大切にしながら生きているのです。戦争が彼らの日常にどのように影響を及ぼしているのかを知ることが、私たちにとって重要な視点となります。
想像力の解像度を上げる
澤田さんは、書籍『僕らは戦争を知らない』の制作背景について、自身が危機感を抱いた出来事から始まったと語ります。報道を見続けるうちに、感覚が麻痺してしまうことに恐怖を感じ、想像力の解像度を上げるような本を作りたいという思いからこの本が企画されました。その意図は、戦争を忘れないために、想像力を高め、他者の苦しみを理解しようとする心を育むことです。
未来への希望
平和を守るために個々ができることは多岐にわたります。本書のような出版活動もその一環であり、読者がその内容を通じて意識を高め、行動につながることが期待されます。そして、直接的な支援が難しいかもしれないと感じる人々にも、その意識の持ち方や行動の仕方があることを忘れてはいけません。
2025年、平和を考えるための重要な一歩として、ぜひ『僕らは戦争を知らない』を手に取ってみてください。この本があなたの意識を変え、未来への希望をつなぐ一助となることを願っています。
取材・文・写真:森田晃平