多様性とクラフトマンシップが彩るバンクーバーファッションウィーク2025春夏

バンクーバーファッションウィーク S/S'26の魅力

2025年10月15日から19日にかけ、カナダ・バンクーバーのDavid Lam Hallで開催された「Vancouver Fashion Week S/S’26」には、世界中の新鋭デザイナーが集い、注目のコレクションを発表しました。本イベントは、「多様性」「クラフトマンシップ」「サステナビリティ」をテーマに、20カ国以上からデザイナーが参加し、それぞれの文化やスタイルが交錯する場となりました。

日本の8ブランドの躍動

特に注目されたのは、日本から出展した8つのブランドです。「NITENMON」「Empromo」「Valley’s Lily」「Beshow by gentil」「remake by FLAKE」「Dr.Y&K」「ANAHATAU」「Remake Innovation Project (R.I.P)」が、伝統と革新を融合したコレクションを披露しました。これらのブランドは、日本の繊細な技術や美的感覚を、現代のトレンドと融合させることで、個性的でありながらも親しみやすいデザインを展開しています。

1. ANAHATAU（アナハタウ）

インド哲学からインスパイアされたこのブランドは、「遊び心」と「地球との調和」をテーマに、ヴィンテージコットンカンタを用いた作品を発表しました。古布サリーを重ねて手刺しで仕立て、触覚のデザインに重点を置き、現代的なハンドクラフトの温もりを届けています。

2. NITENMON（ニテンモン）

オペラやミュージカルの舞台衣装を手がけてきたSonoko Takedaが立ち上げたこのブランドは、「新しい着物の形」に挑戦しています。特に今季は、ヴィンテージの絹着物地を再構築し、伝統技術と現代的感性を融合させたコレクションを展開。美しい静謐感が漂うもので、着物文化の新しい可能性を提示しています。

3. remake by FLAKE（リメイクバイフレーク）

松下カルマによるこのブランドは、古いものを尊ぶ哲学のもと、伝統素材から生まれるリメイク作品を提案しています。特に、歴史的な軍服や民間衣服からインスパイアを受けたデザインは、装飾を削ぎ落としたシンプルさが際立っています。

4. Beshow by gentil（ビショウバイジャンティ）

神山奈美が手がけるこのブランドは、シルクを使用した着物リメイクに挑戦。これまで1,000件以上のオーダーメイド実績を持ち、日本の伝統技術を現代的に再構築しています。華やぎとシンプルな洋服のデザインが調和したコレクションが話題を呼びました。

5. Empromo（エンプロモ）

港町神戸出身の上山法子によるブランドは、手捺染と金彩加工を用い、伝統と現代の融合を追求しています。この季節のコレクションは、手作業で染め上げた布地と金彩が生み出す深みのある色彩が特徴的です。

6. Valley’s Lily（ヴァリーズリリー）

栗林早苗が手がけるブランドは、着物を用いたリメイクデザインを展開しており、着る人が自らを表現できるスタイルを提案します。異素材を組み合わせた新たなシルエットは、現代にぴったりのスタイルを生み出しています。

7. Dr.Y&K（ドクターワイアンドケイ）

歯科医のデザイナーたちが創作したこのブランドは、シンプルで丈夫な服作りに挑戦。医療モチーフを取り入れたユニセックスコレクションは、ストリートにマッチしやすいデザインが魅力です。

8. Remake Innovation Project (R.I.P)

寺尾美雪によるこのブランドは、廃棄予定の衣料品に新たな価値を付加するリメイクに特化しています。テーマ「Connecting The Dots」は、未来への選択を提示する意欲的なアプローチが評価されています。

世界中のデザイナーの集結

このファッションウィークには、カナダ、中国、台湾、イギリスなど、さまざまな国からのデザイナーも参加しており、多様性に満ちた作品が披露されました。これは、文化やジェンダーを超えた新しいファッションの形を探るための重要なプラットフォームともなっています。

アウトルック

バンクーバーファッションウィークは、多文化共生の象徴として、その歴史とともに新進気鋭のデザイナーを支え続けています。参加ブランドが示すオリジナリティや革新性は、今後のファッショントレンドに大きな影響を与えることでしょう。興味がある方はぜひ次回のイベントを訪れて、これらのデザインに直接触れてみてください。公式ウェブサイトから詳細情報を得ることができます。