加藤財務大臣、国民民主党の政策に対する見解表明 - ガソリン税、年収の壁、日本酒の無形文化遺産登録 -
加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣は、令和6年11月5日に行われた閣議後記者会見で、国民民主党が衆議院選挙で議席を伸ばしたことを受け、同党からの政策提言に対する見解を表明した。
まず、ガソリン税のトリガー条項の凍結解除と暫定税率の廃止を求める声に対して、加藤大臣は、トリガー条項は発動した場合、国・地方の財政への影響や販売・流通現場への影響が懸念されると指摘。過去の検討チームにおける議論でも、実務上の課題の解決策を見いだせていないと述べた。
また、揮発油税の旧暫定税率の廃止については、地球温暖化対策や厳しい財政事情などを考慮し、民主党政権下の平成22年度に維持が決定された経緯を説明。2050年のカーボンニュートラル目標達成に向け、気候変動対策の重要性を強調した。
年収の壁対策については、国民民主党が主張する基礎控除の引き上げについて、加藤大臣は、高所得者ほど減税の影響が大きくなるとの懸念を示した。基礎控除を75万円引き上げると、国と地方で7~8兆円の税収減になるとの試算を挙げ、制度設計の難しさに言及した。一方で、地方への影響を考慮した上で、103万円の壁引き上げ自体には賛成の可能性を示唆している。
さらに、日本の伝統的な酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録される見通しとなったことに関しては、加藤大臣は、日本酒の輸出促進に弾みがつくことを期待し、酒造業界の努力を政府全体で後押ししていく意向を示した。
今回の記者会見では、国民民主党からの政策提言に対する財務省の見解が明らかになった。ガソリン税、年収の壁、日本酒の振興など、様々な政策課題について、政府は今後も議論を続けると予想される。