『STOCK & RENOVATION 2024』の真実
2024年9月25日、株式会社LIFULLのシンクタンク「LIFULL HOME'S総研」は、最新の研究報告書『STOCK & RENOVATION 2024』を発表しました。本報告書は、2014年に発表された「STOCK & RENOVATION 2014」の10年後の調査結果をまとめ、住宅市場の変化やリノベーションに関する新たな展望を示しています。
住宅市場のトレンド
調査によると、住宅購入者の年齢層が上昇し、単身世帯や夫婦のみの世帯の割合が増えています。また、住宅取得費用や世帯年収も共に上昇しており、家という資産価値を重視する傾向が強まっています。一方で、家族との思い出や交流の場としての価値が減少し、「普通の家が一番住みやすい」といった意識が強まっています。
リノベーションの実態
リノベーションのシェアについては、リノベ済み物件の購入が増加し、「既存住宅を取得後にリノベーションする」選択肢に対しては停滞が見られます。特に、リノベ済み中古マンションの市場が急成長しており、これが中古住宅の流通を促進しています。
価値観の変化
住宅購入者の価値観に関する調査結果は興味深いものがあり、自分にとっての家の意味が大きく変わっていることを示しています。多くの項目でサポートが得られない中、「災害や犯罪から身を守る避難場所」と「投資対象としての価値」のスコアが上昇しています。
さらに、「家を買う費用は節約し、家具や雑貨にお金を使いたい」という意欲が確認でき、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視する考え方が根付いているようです。
中古物件とリノベーション
特に5年以内の住宅購入者全体において、中古物件の取得者の比率が上昇しています。この傾向は、リノベ済み物件を購入し、そのまま住むパターンに特化して増加し、中古物件を取得した後にリノベーションを行う市場は停滞しています。
ウェルビーイングとリノベーション
調査では、住宅の種類ごとにウェルビーイングの評価も行われました。「注文住宅」が最も高い評価を受けたものの、完成品の分譲住宅を選択することで得られる幸福度は高まりを見せています。特に、リノベーションに600万円以上かけた「リノベ済み中古マンション」は、自己実現感が非常に高いと評価されています。
依頼先選定基準の変化
リノベーションを希望する消費者において、依頼先の選定基準が変化しています。以前は「信頼できる担当者」と「費用が割安」という点が重要視されたのに対し、現在では「インターネット等での評判」といった点がより重要視されていることが明らかになりました。
結論
LIFULL HOME'S総研の報告書『STOCK & RENOVATION 2024』は、日本における住宅市場の変化とリノベーションの現状を詳細に解説しています。消費者の価値観は「コストパフォーマンス」を重視する傾向にシフトし、リノベ済み物件の魅力が高まっています。今後はこの動向がさらに加速し、既存住宅の市場が活性化することが期待されます。特にリノベーションを通じて自己実現を図る選択肢が、これからの住宅選びに影響を与えるでしょう。