鎌倉の伝統と技術・鎌倉はんこの快挙
神奈川県鎌倉市にある老舗印章店「鎌倉はんこ」が、国内競技会「中国印章競技会」で初のW金賞を受賞しました。この受賞を成し遂げたのは、代表の月野允裕さんとその妻、月野千恵子さんの2人です。二人は「一級印章彫刻技能士」という国家資格を夫婦で保有する数少ない職人として、長年の技術研鑽の結果、最高の評価を得たのです。
受賞の詳細
競技会では、熟練職人から若手までが参加し、5つの部門で121点の作品が展示されました。月野允裕さんは「木口実印の部」で、千恵子さんは「木口角印古印体の部」でそれぞれ金賞を受賞。さらに、月野さんは小篆で銀賞も獲得し、その技術力を証明しました。技術と正確性が求められる印章彫刻は、まさに熟練の手仕事が光る分野です。
職人技の重要性
月野夫妻は、この受賞が日本の印章文化の重要性を再認識させるものと考えています。彼らは、日本の伝統技術を次世代へと伝える使命感を強く持っています。デジタル時代において、職人技の尊さや価値が見直されている今だからこそ、「本物の印章」の存在が際立ってきます。
技術継承への取り組み
鎌倉はんこは、技術の維持と成長のために、制作本数を1日にわずか5本に限定した完全予約制を導入しています。このような取り組みは、一つ一つの印章に真摯に向き合う姿勢の表れです。また、国際的な文化発信のために、英語によるワークショップを年間500組以上の外国人向けに開催しており、日本の印章文化を広めています。
未来への願い
月野允裕さんは、「このW金賞をいただけたことは誠に光栄ですが、それ以上にこの受賞が印章彫刻の道を志す若者たちの励みになることを心から願っています」と語ります。日本の伝統と文化を未来へ繋ぐことが、彼らの大きな目標です。
現代社会において、安価な印章が氾濫する中で、例えば、長く使える質の高い芸術作品としての印章の価値を伝えるために、月野夫妻は手を取り合って努力し続けています。彼らの技術、情熱、そして使命感は、未来の職人たちに伝えられ、受け継がれていくことでしょう。
店舗情報
鎌倉はんこ
住所: 神奈川県鎌倉市御成町5-6
電話: 0467-37-9297
Email:
[email protected]
URL:
https://www.kamakurahanko.com/
「鎌倉はんこ」は、これからも伝統と革新を融合させながら、職人技を未来へと紡いでゆきます。