旅館・ホテルの備品再活用を促進する『宿KOMONO』サービスの魅力とは

新たな備品売買サービス『宿KOMONO』誕生の背景

近年、旅館やホテルの運営において、ゲストのニーズが多様化しています。これまで提供されていた備品が不要になるケースが増えていますが、不要品を処分する際には産業廃棄物のコストもかかります。こうした背景から、『宿KOMONO』という新しいサービスが登場しました。このサービスは、不要になった宿泊施設の備品を他の旅館やホテルに再販することを目的としています。需要と供給のマッチングを図りつつ、環境への配慮も行います。

既存の問題点

現在、通常の仕入れ方法は、販売業者から見積もりを取得し、契約、納品と進むのが一般的です。それに対して新品の業務用備品は、ある一定量を一度に購入しなければならず、投資金額も大きくなります。特に、売上が低迷する状況下では、必要な備品であっても自由に購入することが困難です。また、これまで中古品の販売はほとんど行われておらず、WEB上での流通も皆無でした。

旅館・ホテルのニーズの変化

旅館やホテルを取り巻く環境は、コロナ禍の影響で厳しさを増しており、商品の販売量も大幅に減少しています。そのため、業者は多くの在庫を抱えることとなり、訳あり品や長期在庫品を処分せざるを得ない状況にあります。例えば、高齢化が進む中で、宴会用の低い椅子が不要となり、高座椅子に変更される場合などが挙げられます。しかし、他の宿泊施設では、逆にその低い椅子が必要とされることもあります。このように、同じ備品でも施設によって必要とされる場面が異なるのです。

『宿KOMONO』の仕組み

『宿KOMONO』の利用を希望する旅館やホテルは、まず会員登録が必要です。登録には、株式会社お宿応援隊による事前審査があります。出品側の宿泊施設は、必要な備品の画像や説明、希望価格をサイト上にアップロードします。なお、出品作業はお宿応援隊が代行することも可能ですが、その際は手数料が発生します。

購入希望者は、サイトでの意思表示後、お宿応援隊から送料の案内を受けます。成約に至った場合、購入者はお宿応援隊に事前に入金を行った後、納品が行われます。

期待されるメリット

このシステムにより、まず、不用品のリユースが進み、廃棄に伴うCO2の削減にも寄与することが期待されます。また、安価で備品を購入できるため、旅館やホテルにとって経営改善の手助けとなります。さらに、出品する宿泊施設にとっては、産廃費用の削減や売却益を得ることができます。また、購入する側にとっても、小規模からの業者購入が可能であり、ニーズに応じた柔軟な仕入れが実現します。