川崎市でのCO2削減を目指す実証実験、富士通とANA Xなどが開始

川崎市でCO2削減を促進する実証実験がスタート

2025年2月27日から、川崎市を舞台に、富士通株式会社、ANA X株式会社、東芝データ株式会社、そして川崎市が協力して、市民の環境行動によるCO2削減量を可視化する国内初の実証実験が始まります。この実験は、環境省が提供するデータベースを基に、市民がどれだけのCO2を削減したかを測定し、フィードバックを行うものです。

実証実験の背景

日本政府は、2050年までのカーボンニュートラル達成のために、2030年度までに温室効果ガスを46％削減する目標を掲げています。川崎市も負けじと、同じ歳に市全体でのCO2排出を50％削減することを目指しており、民生部門においても45％以上の削減を目指しています。市民の日常生活からのCO2削減が不可欠であるため、今回の実証実験が組まれたのです。

実証実験の概要

この実証実験には、川崎市に在住または在勤する市民が対象となり、参加者は富士通、ANA X、東芝データが提供するスマホアプリを通じて自身の移動や購買行動を記録します。それにより、削減されたCO2量が具体的に可視化され、参加者は「Eco Potential」というアプリでその成果を確認します。

参加企業の役割

- 富士通は、環境行動データプラットフォームを構築し、「Eco Potential」の開発を行います。また、川崎市における街づくりをサポートします。
- ANA Xは、移動に関するデータを「ANA Pocket」アプリで収集し、CO2排出量への影響を測定します。これは、日常的な移動を通じてポイントを貯められるサービスでもあります。
- 東芝データは、電子レシートサービスを通じて、購買データを提供し、環境負荷を可視化します。
- 川崎市は、実証実験のフィールドを提供し、市民への啓蒙活動を行います。

実証実験の意義

この実証実験は、個々の市民がどのように環境に配慮した行動を取っているかを数値的に示すことで、皆が環境意識を高め、より多くの人が脱炭素社会実現に向けた行動を取ることを促進する狙いがあります。また、これにより創出されるCO2削減量の社会的価値を検証し、今後の社会実装に活かすことも目的とされています。

期待される成果

環境省もこの取り組みを高く評価しており、生活者一人ひとりによる行動がカーボンニュートラル社会への移行を進めるための重要な役割を果たすとしています。今回の実験が成功すれば、他の地域や企業にも同様の取り組みが広がる可能性があります。

今後の展望

富士通、ANA X、東芝データ、川崎市の4者は、今回の実証実験を足がかりに市民の環境行動変容を促進し続ける考えです。また、収集したデータを基にして、CO2削減量の価値を創出し、地域への還元なども検討される予定です。これらの取り組みを通じて、川崎市の環境に対する意識向上が期待されます。

この実証実験がいかに多くの市民に影響を与えるか、また、他都市への波及効果にも注目が集まります。