東京ガスとペトロナス社、カーボンニュートラル技術で新たな協力へ
東京ガス株式会社(以下、東京ガス)は、マレーシアの国営石油・天然ガス企業であるペトロナス社との間で、カーボンニュートラル技術に関する共同検討を進める覚書を締結しました。この覚書は、両社の技術を補完し合いながら、カーボンニュートラル実現に向けた協業を広げることを目的としています。
覚書の意義と内容
この覚書の締結により、東京ガスとペトロナス社は長年にわたるLNG(液化天然ガス)取引を通じて培った信頼関係を基盤に、より具体的なカーボンニュートラル技術の開発へと進みます。具体的には、水素製造技術とCCS(Carbon Capture and Storage)技術の共同検討に着手し、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強化していきます。
東京ガスは、水素製造コストの引き下げを目指し、特に水電解装置の中核部品である水電解用セルスタックの技術開発を進めており、カーボンニュートラル実現のための重要な基盤を整備しています。一方、ペトロナス社は高効率な水電解技術を持っており、両社が協力することで、水素の製造コストをさらに低減することが期待されています。
また、CCS技術に関しては、東京ガスが開発しているマイクロバブル技術を活用し、CO2の効率的な地下貯留を目指します。これにより、CCSの効率が向上し、コスト削減にも寄与することが見込まれています。
代表者のコメント
東京ガスの代表執行役副社長GXカンパニー長である木本憲太郎氏は、ペトロナス社との信頼関係を踏まえ、この覚書の締結を大いに喜んでいます。「両社の強みを結集し、カーボンニュートラル技術の早期実用化を目指した取り組みが、マレーシア、日本、そして世界の持続可能な未来に寄与することを期待しています」と述べています。
一方、ペトロナス社の上級副社長であるMohd Yusri Mohamed Yusof氏も、求められるエネルギー源をより経済的かつアクセスしやすい形で提供するため、連携を一層強化していくと語っています。
今後への期待と展望
この共同に向けた取り組みは、両社にとって新たなステージへの進化を意味します。東京ガスは、「Compass2030」という経営ビジョンのもと、2050年カーボンニュートラルの実現を目指してさまざまな施策を推進しており、再生可能エネルギーや水素の活用が強調されています。また、政府の施策とも連動し、カーボンニュートラル技術の実用化を進めていく方針です。
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