茶室「悠楽軒」初公開の舞台
2025年4月3日、大阪で開催される関西万博のシグネチャーパビリオン「いのちの遊び場クラゲ館」に新たな茶室「悠楽軒」が完成しました。この茶室は、国内外の要人に向けておもてなしを行うスペースとして設計されており、裏千家の千宗室御家元がその名を授けました。
環境への配慮が詰まった設計
「悠楽軒」は椅子・机式の立礼席と内坪から成り、内部は古材や古建具を巧みに使用しています。特に注目すべきは、床の土壁に伊藤園の茶がらを混ぜたことや、漆喰の壁には大和ハウスグループが栽培したミニ胡蝶蘭「COCOLAN」の廃棄花を使用している点で、環境への配慮が感じられます。また、設計には移築可能な構法が採用され、万博後も他の場所で活用できるように工夫されています。
日本のもてなし文化を体現
茶室に至るアプローチは露地をイメージしたもので、参加者が日本的なもてなしを体験できるように設計されています。除幕式では、裏千家一般財団法人今日庵の大谷裕巳氏、日本国際博覧会政府代表の羽田浩二氏など、多くの方々が集まり、茶室名「悠楽軒」が揮毫された扁額の除幕式が行われました。
和やかな茶会の風景
よく晴れた日、茶会では中島さち子が席主となり、茶室の完成を祝う行事が執り行われました。参加者は、堅苦しさを感じさせない和やかな雰囲気の中で、茶室の特色や建築の経緯について語り合い、日本文化を体感しました。点前を務めた茶道家の服部雅美氏の優雅な所作も印象的でした。
設計者たちの思い
クラゲ館の設計者・小堀哲夫氏は、「茶室は、万博という大きな祭りの中で秘密の空間。同時に、日本の伝統的なもてなしの場としての役割が大切です」と語りました。一方、悠楽軒の設計を手掛けた遠山典男氏は、茶室が日本人の美意識と精神性を表現する重要な場所であることを強調しました。この茶室を通じて、多くの訪問者に日本文化の深さを感じ取ってほしいと願っています。
クラゲ館とのシナジー
「いのちの遊び場 クラゲ館」のプロデューサー・中島さち子氏も、「悠楽軒」が日本文化の魅力を国内外に発信する場になることを期待しており、いろんな国からの訪問者が集まるこの万博で、クラゲ館の理念と日本文化の美が融合することに喜びを感じています。
このように、茶室「悠楽軒」は、関西万博を象徴する場所として、今後多くの方々に日本の美しい文化を伝える役割を果たしていくことでしょう。これからの展開に乞うご期待です。