2024年10月10日、北海道苫小牧市にて第34回海事立国フォーラムが開催されました。このフォーラムは、公益財団法人日本海事センターが主催し、約200名の海事関係者が集まりました。メインテーマは「ゼロカーボン社会の実現を目指して」で、講演やパネルディスカッションを通じて、海事分野の新たな挑戦や企業の取り組み事例が広く紹介されました。
今回のフォーラムでは、株式会社商船三井の社長である橋本剛氏が登壇。彼は「脱炭素社会に向けた商船三井グループのチャレンジ」と題して、同社の取り組みについて発表しました。橋本社長は、この講演の中でクリーン代替燃料の導入をはじめとする同社グループの運航船の排出削減努力や、再生可能エネルギー事業に対する取り組みを強調しました。
商船三井は、北海道においても多くのプロジェクトを進行中です。例えば、旭川市に本社を持つ株式会社北拓との風力発電メンテナンス事業における資本提携についてや、2025年初頭就航予定のLNG燃料フェリー、大洗~苫小牧を結ぶ新航路のプロジェクトなどがあります。これに加え、ダイビルによる札幌駅南口再開発事業、浜中町におけるバイオメタン製造プロジェクトにも参画しています。
商船三井は経営方針において、環境戦略を重視しており、「BLUE ACTION 2035」として脱炭素化の実現を掲げています。また、同社の「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」では、2050年までにネットゼロ・エミッションを目標にしています。このように、同社は海運業界において環境に配慮した取り組みを行い、地域社会や国際市場との連携を図りながら脱炭素化の実現を推進していく姿勢を見せています。
フォーラムは、2007年から開催されており、国民の海事分野に対する理解を深めることを目的としています。また、技術革新や地域活性化、環境保全に向けた取り組みが議論される貴重な場所でもあります。今後、商船三井はこのようなフォーラムを通じて、さらに多くの関係者との対話を重ね、持続可能な社会を作るための具体的なアクションを促進していくことでしょう。