岸田総理、障害者に対する偏見根絶へ向けた対策を議論

令和6年9月20日、岸田総理は東京の総理大臣官邸で、障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた第2回対策推進本部を開催しました。この会議では、旧優生保護法に関する訴訟の進捗状況を中心に議論が交わされました。

総理はこの日、過去の苦痛な経験について原告団から具体的な話を伺い、政府として責任を持って対策に取り組む意向を示しました。特に、旧優生保護法の国家賠償請求訴訟に関して、9月13日に和解合意書が締結され、早期の解決に向けた道筋が見えてきたと報告しました。

新たな補償の仕組み

また、新たな補償制度についても動きがあり、超党派の議員連盟が提案した法律案の骨子案がまとめられ、検証の方法についても議論されています。岸田総理は、この新たな制度が被害者の方々に迅速に届くことが重要だと強調しました。議員立法の早期提出と成立を目指すことで、制度の具体化を進める考えを示しました。

偏見差別の根絶に向けた恒久的対策

さらに、障害者に対する偏見や差別の根絶に向けた恒久的な対策を講じることも検討されています。既に当本部は全大臣で構成され、７月に設立されて以降、幹事会を二度開催しています。原告団との対話を進めつつ、今後の基本合意書の締結に向けた取り組みも重要視されています。

教訓と今後の取り組み

岸田総理は、憲法違反とされた旧優生保護法による施策が、数十年にわたって多くの障害者の尊厳を傷つけてきた事実を指摘し、その教訓を引用しながら、偏見や優生思想の根絶に向けた新たな行動計画の策定を急ぐべきだと訴えました。総理は、今後も有識者の意見を聞きながら、政府全体で議論を深めていく必要があると述べました。

このように、岸田総理は障害者に対する偏見をなくし、共生社会を築くための具体的な施策を進めるとともに、過去の苦痛を繰り返さないための努力を惜しまない姿勢を示しています。今後の動きに注目が集まる中、同本部の活動に期待が寄せられています。