近年のスタートアップ市場において、新たな資金調達手段として注目を集めているベンチャーデットファンドに、株式会社りそな銀行と京都キャピタルパートナーズ株式会社が新たに参画したことが発表されました。このファンドは、ミドル・レイターステージのスタートアップを対象としており、特にディープテック領域においても積極的に資金供給を行うことを目指しています。
この度の参画により、Funds Venture Debt Fund 1号投資事業有限責任組合(以下、本ファンド)は、今後の成長に向けて重要なステップを踏み出しました。ファンドの運営を行っているFunds Startups株式会社(本社:東京都渋谷区)は、すでにディープテック分野を含むスタートアップへの投資を行っており、今回の参画によりその動きはさらに加速する見込みです。
本ファンドは、標準的なベンチャーデット案件に加え、一般的に資金調達が困難なディープテック領域にもリスクマネーを供給することを特徴としています。実際、AI医療機器の開発を行うアイリス株式会社や、アフリカとインドを拠点とする株式会社HAKKI Africaに対しての投資を実行しており、これらのスタートアップに対しても必要な資金を供給しています。
ファンドの運用開始から約1年を経たこのタイミングで、目標額を達成し、3rdクローズを完了しました。今後も新たなスタートアップへの投資を通じて、金融機関との連携をさらに強化し、多様なベンチャーデットニーズに応じた資金調達を支援していく方針です。
りそな銀行のベンチャー支援グループもこの取り組みに賛同し、未来をよりよく変えることを目的に、新たな資金調達手段としてベンチャーデットの取り扱いを開始しました。京都キャピタルパートナーズは、京都地域でのスタートアップ育成を支援し、新しいビジネスの誕生を促進するために、今回のファンド参加を決めたとのことです。
また、本ファンドはスタートアップ政策の促進に寄与する活動にも積極的に参加しており、例えばスタートアップ推進議員連盟への参加や、スタートアップ融資実務ハンドブックの作成についても関与しています。こうした取り組みを通じて、より多くの金融機関がベンチャーデット市場に参入し、スタートアップにとっての資金調達機会を広げていくことを狙っています。
特に、今回の参画によって、ファンド内での情報共有やリレーション構築が進み、結果としてスタートアップにとっても全国の金融機関とつながりやすくなるなど、絶妙なWIN-WINの関係が生まれています。さらに、ファンドはまだ募集を継続しており、さらなる資金調達を目指しています。
このように、協調ファイナンスを通じてスタートアップ支援を強化していく姿勢が見え、今後の展開にも期待が高まります。ファンドは、社会的インパクトを創出するスタートアップが理想的な成長を遂げることができる仕組みを開発することをミッションとして掲げており、資金供給難度の高い分野でも果敢に挑戦を続けています。