研究者のAI利用に関する調査結果
科学コミュニケーションを手掛けるカクタス・コミュニケーションズは、2026年に実施した「研究者のAIツール利用に関するアンケート」の結果を発表しました。この調査には、693名のエディテージ利用者および日本の研究者が参加しており、その結果、AIツールの利用が急速に広がっていることが明らかになりました。
1. AIツールの活用拡大
調査によると、78.7%の研究者がAIツールを日常的に使用しており、特に「ほぼ毎日」や「週に数回」利用している研究者は78.9%に達しています。これは、AIが研究者にとって欠かせないツールとして定着しつつあることを示しています。
そのAIの主な利用目的としては、71.0%が「先行研究・関連文献の検索」を挙げ、62.5%が「論文・資料の要約」を利用する目的としており、翻訳や校正などの限定的な用途から幅が広がっています。このように、AIは研究の全体的なワークフローに深く組み込まれつつあるのです。
2. 競争力への影響とは
また、93.5%の研究者が「AI活用は研究者の競争力に影響する」と回答しており、91.1%は「AI利用が論文の採択や評価に影響する」と感じています。新たな技術の活用が、研究成果の品質や評価に直結しているという意識が広まっていることは、今後の研究活動における重要なポイントといえるでしょう。
しかし、AIの利用が増える一方で、91.1%の研究者が「誤情報(ハルシネーション)」に対する懸念を持っているのも事実です。このように、AIの急速な進展は研究の効率を高めると同時に、リスクも伴うため、研究者はその信頼性を保証する必要があります。
3. AI利用の実態
さらに、AIのみで論文投稿を経験した研究者は14.4%となり、専門家サービスとの併用が最も多く45.7%でした。この結果は、AIを使用する上でも専門家による確認が重要視されていることを示しています。研究者たちは、AIから得た情報の正確性を確認するために、専門家の助けを求めているのです。
4. 課題と展望
全体として、調査結果は研究者のAIツール利用が様々な面で広がっていることを示していますが、それと同時に、研究者自身がAIの限界やリスクを認識していることも強調されています。カクタス・コミュニケーションズの代表取締役 湯浅誠氏は、AIの正確性確認がこれからの研究支援に必要とされる役割であると語っています。
今後、AIの出力を踏まえつつ、研究成果の妥当性や倫理的な活用も含めた支援環境の整備が求められることでしょう。この研究者のニーズに応える形で、カクタスは新たなサポートを展開していくとしています。
5. 総括
AIは研究者にとって有力なツールであることが改めて確認されましたが、その利用は研究者自身の判断と専門的な支援に依存していると言えます。このため、今後も研究とAIの共存に向けた取り組みが重要になるでしょう。