ニップンの「やわら小麦®」が農林水産技術会議会長賞を受賞

ニップンの革新技術「やわら小麦®」

株式会社ニップンがこのたび、令和7年度の民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、「やわら小麦®」の開発とその実用化により、「農林水産省農林水産技術会議会長賞」を受賞しました。この受賞は、ニップンが長年にわたって取り組んできた革新的な技術の成果を認められたものです。

受賞の背景と意義

農林水産省と公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会が共同で主催するこの表彰は、民間主体の農業および関連産業における研究開発を奨励し、その成果を顕彰することを目的としています。ニップンの「やわら小麦®」は、加工後の製品が時間経過によって硬くなることやパサつきが出るといった食感の劣化、いわゆる「老化」を抑え、作りたてのような食感を長持ちさせる技術に高く評価されました。

「やわら小麦®」の開発プロセス

ニップンは、米国農業研究所との共同研究を通じて、でんぷんの老化を遅らせる特性がある小麦の開発に成功しました。具体的には、遺伝子4種の組み合わせを見出し、これにより小麦のでんぷんが老化しにくくなることが確認されました。このような特性を持つ小麦を総称して「やわら小麦®」と名付け、商標も取得しました。

今後、「やわら小麦®」を使用した商品を広く市場に展開するため、業務用小麦粉を2025年2月から販売する計画です。これにより、消費者にもこの新しい小麦の利点を実感していただくことを目指しています。

やわら小麦®の特長と商品化

「やわら小麦®」は、時間が経っても加工製品が硬くならず、作りたての食感が長持ちするという特性を持っています。さらに、この小麦は添加物を減らしたシンプルな配合でも効果を発揮し、常温商品だけでなく、チルド商品や冷凍生地でもその特性を発揮します。

商品情報

ニップンは「やわら小麦®」を使用した業務用小麦粉を以下の二つの商品として展開しています。

1. やわらエール
- 特長: やわら小麦を配合し、製パンにおいてふんわりソフトでしっとりした食感を実現。
- 成分: 灰分0.4％、たん白含有量11.0％

2. やわらのチカラ
- 特長: 国内産小麦100％使用し、もち感が強くしっとりした食感を実現。
- 成分: 灰分0.5％、たん白含有量12.5％

これらの小麦粉は、パン、麺、菓子など多様な用途に使用可能であり、食味の向上に貢献することが期待されています。