下瀬美術館、世界で最も美しい美術館に選出
2024年、広島県大竹市に位置する下瀬美術館がユネスコのベルサイユ賞で最優秀賞を受賞しました。これは、12月2日にパリのユネスコ本部で行われた表彰式で発表されたもので、下瀬美術館は新たに設けられた美術館・博物館部門において栄誉を手にしました。
下瀬美術館は、独特の美しさと革新的なデザインが評価されており、設計は著名な建築家・坂茂氏が手掛けています。彼は瀬戸内海の環境を最大限に生かし、水に浮くギャラリーや木造のユニークな構造を導入しました。これにより、他の博物館では体験できない特異な空間が創出されています。
ベルサイユ賞とは
ベルサイユ賞は2015年にユネスコで創設された建築賞で、作品の美しさやデザインの独創性が評価されます。さまざまなカテゴリーに分かれ、建築家や哲学者などの審査員による厳正な選定が行われます。この賞では、最優秀賞、内装特別賞、外装特別賞の3つが贈られるため、受賞の名誉は非常に高いものとされています。
下瀬美術館の特徴
下瀬美術館は、約400メートルにわたって瀬戸内海に面し、浜辺の風景を背景にした建物です。施設の中で特に目を引くのは、色とりどりのキューブ型の「可動展示室」。これは水の浮力を活用し、配置を自由に変更できる展示空間で、坂氏の独自の発想によるものです。
また、美術館内部では季節ごとの花々が楽しめる「エミール・ガレの庭」や、瀬戸内の多島美を望む「望洋テラス」も設けられており、訪れる人にとってアート視覚だけでなく、多様な体験を提供しています。
設計者と理事のコメント
表彰式では、世界ベルサイユ賞機構の事務総長、Jérôme Gouadain氏も下瀬美術館を称賛しました。「色使いが非常に興味深く、博物館らしからぬカラフルなデザインが、審査員たちの心をつかんだのだと思います」とコメント。さらに、坂茂氏も「自由に設計できた初のプロジェクトであり、下瀬館長を始め多くの関係者に感謝しています」と語っており、彼の設計理念や美術館への思いが伝わってきます。
今後の展望
下瀬美術館は2023年3月にオープン以来、国内外から多くの観光客を迎えており、その美しさは広く知られています。今後も多くの人々がこの美術館を訪れ、瀬戸内の自然美とアートの融合を楽しむことが期待されています。2024年には、他にも7つの美術館が「世界で最も美しい美術館」としてノミネートされており、その中での下瀬美術館の存在は注目に値します。
受賞美術館のラインナップ
2024年のノミネートには、以下の美術館も含まれています:
- - A4 Art Museum(中国)
- - Grand Egyptian Museum(エジプト)
- - Smritivan Earthquake Museum(インド)
- - Paleis Het Loo(オランダ)
- - Oman Across Ages Museum(オマーン)
- - Polish History Museum(ポーランド)
下瀬美術館は、これらの施設と共に、独自の美しさを世界にアピールする重要な役割を果たしています。将来的にはさらなる評価を受けることでしょう。
施設情報
下瀬美術館は、広島県大竹市晴海2丁目10-50に位置し、2023年にオープンしました。詳細情報は
下瀬美術館の公式サイトをご覧ください。