岡山県新庄村の未来を考える
岡山県の最北端に位置する新庄村は、人口わずか800人ほどの小さな村でありながら、その村の未来を真剣に考える村長、小倉博俊氏がいます。彼が村長としての活動を始めたのは1990年。以来、約30年が経過し、地域の自立を目指した施策を推進しています。今回は、彼が描く新庄村の未来について探っていきます。
自主自立を選んだ新庄村の決断
1999年から2010年にかけて進行した「平成の大合併」。新庄村でも合併についての議論が巻き起こりましたが、ここで小倉氏は「合併せず、自主自立を目指す」との道を選びました。この決断は、村のアイデンティティを守りながら地域を発展させるための重要なステップでありました。彼はこの選択について「合併によって失われるものが多いと考えた」と述べています。
その後も、小倉氏は「自主自立した村づくり」のために、地域の資源を活かしながら多様な施策を展開してきました。たとえば、地域の特産品を活用した販売促進や、地元のクリエイターたちとのコラボレーションなど、村の魅力を再発見し、地域おこしに取り組んでいます。
村長になるまでの道のり
小倉氏の学生時代を振り返ると、彼は特に村長になることを夢見ていたわけではありませんでした。大学時代にアルバイトを通じて政治に興味を持ち、卒業後は衆議院議員の秘書として活動しました。この経験が、彼を村長へと導いた大きな要素となったのです。
新庄村への愛着がありながらも、政治の世界で活躍する機会を得たいと思った小倉氏。しかし、最終的には故郷に戻り、村を変えるために政治活動を行う道を選びました。彼は「私の村だから、私がやらなければならないという使命感があった」と語ります。
これまでの道のりは決して平坦ではありませんでしたが、彼の着実な努力と粘り強さが今の新庄村を支えています。
誰もが住みやすい村を目指して
小倉氏の施策に共通するテーマは「地域共生社会」です。子供から高齢者まで、誰もが安心して住まえる村造りを目指しています。具体的には、福祉向上を目指した施策や、地域を巻き込むプロジェクトなどを積極的に進めています。特に、福祉の村づくりに関しては、地域住民全体が参加できるようなイベントや活動を通じて、互いに助け合う風土を醸成しています。
彼は「村の福祉は村の力で支えるべきだ」と強調し、外部の力に頼らず、地域の知恵と力を活かした施策を展開しています。また、村の特性を最大限に引き出すため、クリエイターとの協力も惜しまない姿勢を見せています。
クリエイティブな挑戦が未来を築く
新庄村に必要なのは、地域のクリエイティブな力を結集すること。小倉氏は「クリエイティブな挑戦が未来の村を作る」と考え、地域の若者やクリエイターたちが輝く場を提供することに力を入れています。さらに、彼は地域のクリエイターたちとの連携を深め、彼らの活動が地域の活性化につながるようサポートに努めています。これにより、将来的には新庄村を全国に誇れる魅力ある地域としたいというビジョンを掲げています。
小倉博俊氏の想いや活動は、地域づくりの重要性を再認識させるものです。これからの新庄村が、どのようにその夢を実現していくか、目が離せません。